「この時期どこかいいところないですか〜?」と聞いたら「乗鞍はどうですか?」とのお答え。そこで残雪の乗鞍に滑りに行く。位ヶ原まで除雪されているが一般車通行禁止なので、観光センター前からバスに乗る。乗客はほぼスキーヤーにボーダー。行く先には真っ青な空の下、真っ白な乗鞍岳が私を誘っている。
うねうねとした山道をゆられること40分。位ヶ原山荘に到着。途中のスキー場には雪がなかったが、ここは道路の両側にたっぷりの雪。山行計画書を提出し、シールを貼る人々を尻目に(バスに乗る前に貼ったもんね)きれいな雪面に足を踏み出す。
小屋に泊まったと思われる人のトレースが1本ある以外は、昨日降った新雪の滑らかできれいな斜面。帰りが楽しみだ〜!雲ひとつない天気で、サングラスをしても眼がしぱしぱするほどの強い日差し。風も弱い。暑い。すでに、尾瀬で味をしめた上半身下着一枚だ。
乗鞍には何回か来ているが、こんないい天気は初めて。なぜならいつも「天気が悪いから乗鞍行く?」(=冬型の気圧配置で北アは天気が悪いけど、乗鞍は境目だからなんとかなるかもしれないから、とりあえず乗鞍行く?)みたいなノリで来るので、予想通り天気が悪くて、吹雪の中を黙々と歩く、みたいになってしまう。
振り返ると...やっぱりアイスクリームにたかる蟻んこ状態。

位ヶ原から一段上がると、大雪原となり乗鞍岳の面々(ピークが複数ある)が目の前に立ち並ぶ。山はたおやかで無木立の斜面が広がり、どこでも滑れそう。まさにスキーのための山か。

肩ノ小屋口から主稜線に上がる。ここから剣ヶ峰山頂までは一定の斜度の登りが続く。とは言え、一枚バーンに薄く積もった新雪にシールが良く効き、シャッ、シャッと気持ちよく登れる。

お隣の摩利支天岳には乗鞍観測所がある。白いドームにはかつては太陽コロナを観測するコロナグラフが設置されていた。現在ではコロナの観測は人工衛星にゆずり、大気観測などの広く自然科学の観測のために利用されている。そのドームの向こうには私の大好きな黒部の山々が並んでいる。

海老の尻尾の残骸。真冬には猛烈な風が吹きつけシュカブラが発達する。私は身をもって知っている...

ゲレンデのような、いやゲレンデをはるかに越える大斜面。おまけに槍穂から薬師に至る北アの大展望。

肩ノ小屋口から1時間くらい登ってきた。剣ヶ峰山頂はもうすぐそこ。

ついた!剣ヶ峰山頂。3026m、さすがに下着一枚は寒いので、上着を着る。ちょっと雲がでてきたけど、最高の眺め。

いやはや、絶景だね。
雪が詰ったビニール袋の中から、おもむろにキンキンに冷えた黒ビールを取り出す。残雪の北アに乾杯!
すっかり
滑り出しは腐りかけた吹き溜りで足をとられたが、すぐにパックされた快適な斜面となる。歓声(奇声?)をあげながら緩いシュプールを描いて、かなりのスピードで滑り下りて行く。ドロップポイントがあっという間に遠くなる。

じゃまするもののない大きな斜面を思い思いに滑る。ドロップポイントから肩ノ小屋口まで標高差400mくらいある。

白く滑らかだった雪面はすっかり食い荒らされた。この写真だけみればカナダかヨーロッパのゲレンデのようにも見える。中央の沢の左側のシュプールが我々の一団。かなりぎこちなく滑ってきたが、まあまあでしょう。

位ヶ原への最後の滑降。強烈な陽射しを浴びて雪はかなり重くなっている。でもスキーをとられるほどではないので問題なし。目の前の槍穂を眺めながらのんびりと滑る。お気楽スキーだ〜〜!と完全にナメくさって、スパッツもせずに雨具を着て、片手で動画を撮りながら滑っていた私は、最後の最後でこける。靴の中に、砂糖詰め放題のような感じでぎっしりと雪が詰る...。山をなめてはいけません。
位ヶ原山荘に戻ってきた。除雪を待つバス停たち。
今日の復習。一番左のピークが剣ヶ峰。天気も雪のコンディションも景色も良く、楽しい一日だった。これだから山スキーはやめられない。もうゲレンデは滑れないよ。

位ヶ原から観光センター前にバスで戻り、国民休暇村の温泉で汗を流す。そして、手打ち蕎麦・御池で腹ごしらえ。これは乗鞍御膳。もちろん蕎麦もうまいんだけど、サクサクの岩魚の唐揚げがたまらん。










雲が切れるのを祈りながら、モアイのように同じ方向を向く人々。

味噌パン。例えるなら固い甘食の味噌味。私の地元にはないが、このあたりではどこでも売っている。ガレキ系のボランティアの作業は体を動かすのでお腹が空く。味噌パンは日持ちがするので、そんなときのためにいつも買って持っている。
今日は釜石市箱崎地区で漁港の清掃。2月にはガレキを燃やす真っ白い煙を豪快にあげていた新日鉄(「
津波は釜石市の中心部を襲った。ほとんどの建物の一階部分が廃墟同然になり、いくつかの建物は地震の揺れと津波によって潰れた。修復不可能な建物はほとんど解体撤去され、街はくしの歯が欠けたようにスカスカになっている。
建物を解体撤去すれば建物はなくなるが、ガレキは増える。そして仮置き場のガレキの山はどんどん高くなってゆく。ここはパチンコ屋だったそうだが、パチンコ屋は津波で流され、その跡地がガレキの仮置き場になっている。




掲示板に張られる求人票を毎日チェックする。花壇整備や公民館の引越し、保育園の建設予定地の清掃、支援物資の仕分け、漁師さんの手伝いなど内容は多岐にわたる。そこに陸前高田でのひまわりの種蒔きがあった。すぐに求人票に名前を書き込む。陸前高田の求人はほとんどなく、もう行けないかと思っていたが千載一隅のチャンス。
およそ一年前、私が始めて足を踏み入れた被災地、破壊の凄まじさに衝撃をうけた陸前高田に向かう。途中、いつものように川の駅よこたで休憩。今日も手がかじかむほどの冷たい風が吹いている。しかし、花壇には色とりどりの花が咲く。
下矢作の現場に到着。今日の作業は「たねっこまくべえ会」だ。福岡のNGOと地元の方々が主催、そこに地元高校生や保育園児、九州大学の学生、そして我らまごころネット5名などが参加し、総勢百余名でひまわりのたねっこを蒔く。開会式が行われ、種の蒔き方の説明を受けるが良くわからず立ち尽くす。それなのに、地元のおかあちゃんたちは分からないままに、勝手に蒔き始める。すごいバイタリティ。
被災地では花壇やひまわり、菜の花の畑など、花があちこちで植えられている。でも、実を言えばその効果に疑問を持っていた。しかし、参加された地元の方々と話をしていると、みんなきれいな花が咲くのをとても楽しみにしていることが分かった。
午後の作業が終わり、公民館でのボランティアと地元の方々の交流会にお招き頂いた。おかあちゃんたちが腕によりをかけて作った料理をご馳走になる。うまい、しどけのおひたしもあるぞ。うまいじゃないか。



遠野に戻って、ボランティアのためのお風呂&食事ツアーに参加する。思えば毎回参加している。やっぱり仮設シャワーだけじゃなくて水光園の広いお風呂に入りたい。
そして伝承園で郷土料理を頂く。ご飯とひっつみはお代わり可。どぶろくも地ビールもうまい。
いつものように朝6時にバスは遠野駅前に到着。駅前には新しい観光施設ができている。遠野市はお金持ちなのか?
まごころネットに到着。受付の手続きをして、ラジオ体操の後、朝礼を行う。ボランティアは少ないかと思っていたが、意外と多かった。GWから滞在している人がいるためと、企業から派遣されている人が多いためだ。朝礼で自分の行き先を決める。今日は大槌町にしよう。

今日の作業は側溝の清掃。先日の豪雨で津波の泥が詰った側溝から水があふれ出し、車が通れないほど道路が水浸しになったそうだ。側溝の蓋も重たければ、泥をつめた土嚢も重い。いきなり初日から全力の力仕事だ。
しかし、雨の天気予報にもかかわらず、時々ぱらつく程度なのは不幸中の幸い。
昼食に大槌北小学校の校庭に作られた仮設商店街「福幸きらり商店街」に行く。飲食店からスーパー、そしてツタヤまでいろいろな商店が並ぶ。さて、前回来たときにはどこもいっぱいで入れなかったが、今日はどこで食事をしようか。
前回は店が開いていなかった、やきとりの七福に入る。やきとり定食を注文する。量はちょっと少ないが、ご飯のお代わりができてワンコイン、500円。なかなかうれしい料金設定。他に唐揚げ定食などもある。
バスに乗り遠野への帰途につく。車窓からの景色は以前からの変化に乏しい。しかしよく見ると、黒く焼け焦げて廃墟になっていた建物の並びが撤去され、更地が増えていた。その分、ガレキの山は大きくなっているようだった...。