2011年12月28日

裏同心ルンゼで凍える...〜八ヶ岳・アイスクライミング(2)

12/25 赤岳鉱泉〜裏同心ルンゼ〜赤岳鉱泉〜美濃戸

前回の続き)

111225八ヶ岳・裏同心沢 昨晩はサラサラとテントを打つ雪の音が聞こえていた。5時に起床して表に出ると、どんよりと曇って小雪が舞っている。今年一番の冷え込みとのことだが、風は弱く、とりあえずアイスクライミングには支障がない。念のため両手にはめた厳冬季用グローブの内側に張るホッカイロを入れる。
熱々のモヤシラーメンを腹に詰め込み、新雪でトレースの消えた裏同心沢(裏同心ルンゼ)に入る。

111224八ヶ岳・ガスの切れ間の大同心

沢の中はほぼ無風だが、稜線では風が強いらしく、ガスがめまぐるしく形を変える。そして、ついにガスの切れ間に大同心の全容を見ることができた。今日はこの沢を詰め、あの大同心の付け根まで上がる。


111225八ヶ岳・白銀の裏同心沢

3mほどのF1はフリーで登っていたら途中で手がパンプ(疲れて張って動けなくなってしまうこと)してしまい、一度下りて登り返すという情けない状態。それでもそのときはまだ良かった。登るにつれて気温がどんどん下がり、風も強くなってゆく。滝の氷は固かったり、もろかったり、初心者の私には扱いにくい。先行するパーティーも難儀しているようだ。


111225八ヶ岳・裏同心沢霧氷

もはや風はゴゴゴーと沢を吹き上げてくる。赤岳鉱泉のあたりでは黒々としていた森も、ここでは完全に霧氷に覆われ真っ白だ。風上側のほっぺたが切れそうに痛い。


111224八ヶ岳・裏同心沢のつめ

最後の垂直の滝を越え、ついに裏同心沢の終点にやって来た。白い雪と黒い岩のモノトーンの世界。ある意味最高に美しい。この右の急斜面を登り切れば、大同心の基部だ。

気温はおよそ−15℃。最後の滝の下でトップが登っているのを眺めていた時から、左手の感覚がない。アックスを握っている感覚もよくわからない。最後の滝はアックスが効いているのかわからなかったので、かなり騙し騙し登った。何を隠そう、私はかなりの冷え性だ。手袋に入れたホッカイロは寒すぎて冷たくなっている...。ジャケットのポケットに入れてあった水筒の水も凍っている。なるべく風が体に当たらないように、風上にザックのある背中を向ける。


そして、ポケットに入れてあったカメラも凍った...。正確に言えばカメラの電池が凍った。これからが絶景なのに。電源を入れても一瞬液晶がつくが、すぐに電源が切れてしまう。S95は弱すぎる...P50+エネループは-39℃の漠河でもかなり頑張ったのに。


画像がないため、ここからは音声のみでお伝えします。


「きびし〜、顔が凍る〜、ピッケルが握れない〜、早く帰ろうよ〜」

「でも、大同心がすごいだろ!」

「おお、すげー!覆いかぶさるようなド迫力だー!黒い岩壁と岩にへばりついた白い氷のコントラストもきれいだ!」

「ガスに見え隠れする岩峰群も、ドピーカンよりかえって趣があっていいですね〜。」

「よし、もう一回写真にチャレンジするぞ...ああっ!やっぱり電源が入らない...」

「おい、寒いからもう下りるぞ!」

「...」


111225八ヶ岳・赤岳鉱泉

大同心の基部から大同心稜を下りる。夏道はないが快適な雪の尾根道だ。赤岳鉱泉まで下りると、さっきの厳しさがうそのようなのどかな風景。デジカメもやっと復活した。


111224八ヶ岳・ねじれたつらら 正午を回っていたので、お茶を一杯飲み、テントを畳んでさっさと下山にかかる。
途中、へんなつららを発見。薄いガラスのようなつららが、ねじれて風になびいていた。

111225八ヶ岳・針葉樹の森

林道に出れば車の置いてある美濃戸は近い。林道は針葉樹の森を行く。雪が積もった静かな森は、ハリーポッターに出てきたイギリスの森のようでもあり、漠河で見た極寒の森のようでもある。


111225八ヶ岳・山クラゲ 冷え切った体を温泉で温めて...いや、ニット帽をかぶり続けてペッタリとしている、髪を洗って帰る。美濃戸口から一番近い「もみの湯」に入る。
最近では温泉だけでなく、そこで売っている地元の産物を買うのも楽しみ。赤米のシュウマイと山くらげを買った。山くらげはレタスの仲間で、これをキンピラにすると、干瓢のような見かけで、でもコリコリとした歯ごたえ、ちょっと蕨のような旨みがあっておいしい。

温泉につかっても家に帰っても指が痛かった。左手の薬指がしもやけのように赤黒くふくれている。中指の先もビンビン痛い。軽い凍傷のようだ...甲斐駒の足慣らしのために行ったのに、これでは甲斐駒は無理だ...






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