4日目 天壇公園、故宮博物院

北京市街には世界遺産が3つある。今日はこのうちの2つ、午前中に天壇公園、午後に故宮博物院をまわる。
地下鉄の天壇公園東門駅で降りる。ここから天壇公園の東門がすぐのはずだが、なぜかぐるりとまわって北門から入った。時間は8時半。門の向こうには祈年殿と大型テレビが見える。天壇とは皇帝が天に豊穣を祈願した聖地だ。そこにテレビはないだろ〜。

天壇公園内は市民の憩いの場になっていて、ダンスをする人、バトミントンをする人、太極拳をする人、子供の見合い相手を探す人...などなど大勢の人が思い思いのことをしている。ここ長廊では将棋をしたり楽器を演奏している人が多いが、このおばさん2人は見事な歌声を披露して見物人から拍手をもらっていた。

天壇の中心的建築物、祈年殿。柱の数や位置が世界の摂理を表しているという。祈年殿の正面には等間隔に人が並び写真を撮っている。これも世の摂理か?

我々は北門から入ったが、南門が天壇公園の正面だ。この広い石畳の通路が正面から祈年殿に続いている。それにしても強い日差しと石畳の大理石からの照り返しが暑い。

真ん中に石の丸い台がある。ここは皇帝が天と対話をしたという天心石だ。かつては皇帝しか乗ることが許されなかったが、今ではみんなが乗って記念写真を撮っている。中国人がこの石の台の前にずっとならんで待っている。列にならばないことで有名な中国人だが、多くの人はちゃんとならぶのだ。

祭儀の前に皇帝が身を清めた斎宮にやってきた。ここはガイドブックに載っていないので、案内板がたよりだ。が、なんでしょう、この日本語は?「値守房」が「値は部屋を守ります」と訳されている。意味不明...世界遺産なんだから日本語ができる人にチェックしてもらえよ。

斎宮のさらに奥に神楽署がある。ここまでくる観光客はほとんどいないので、静かでよい雰囲気だ。楽器や楽隊の衣装など音楽に関係するものが博物館のように展示されている。これはパレードに使われた旗らしい。
あまり関係ないが、ここで中国歴代皇帝の肖像が入ったトランプを買った。

1時過ぎ、やっとすべてを見終わった。すごい歩いた。疲れた。神楽署から東門に来るだけでも2kmも歩かなければいけない。東門のそばにある公衆トイレに入った。なんと、このトイレは4つ星だ。中国政府はトイレまでランク付けするか。私の横を手にトイレットペーパーを大量に巻きつけたおばさんが通り過ぎてゆく。

天壇公園東門そばの食堂で去年西域でさんざん食べた牛肉麺を食べ、地下鉄に乗って故宮博物院にやってきた。時間は2時半。ガイドブックには最短2時間でまわれるとあるが果たして...。さすがに現存する世界最大の宮殿、すべてがでかい。午門は宮殿の正門だけあってさらにでかい。それにしても広場が多くて日差しをもろに浴びるのでえらい暑い。

午門から神武門まで約1kmの直線上に門や宮殿が立ち並ぶ。それぞれ謁見や科挙の試験会場など目的が異なっていて、いろいろ特徴がある。ここには狛犬のような獅子がいた。足で小さい獅子を踏みつけているのかと思ったら、子供をあやしている姿だそうだ。

時間があまりなく、そしてえらい暑いのでわき目も振らず一直線に神武門に到達し、そこから東へ曲がった。ここは映画「ラストエンペラー」でもおなじみの外東路、溥儀が自転車で走った道だ。この東側には居住のための宮殿が立ち並び、今は博物館として使われている。展示物が多く、全部をちゃんと見るとかなり時間がかかりそう。

東の宮殿の博物館をいくつか見たところで時間切れ。閉館の5時まであと10分しかない。あきらめて午門に戻る。もうすっかり夕方の雰囲気で夕日に朱が映える。
院内をかなり急いでまわったが2時間半かけて3分の1くらいしか見ることができなかった。門のところで日本人の女の子に声をかけられる。オリンピックのときからずっと滞在しているとのこと。時間があってうらやましい。

夕食は王府井の四川飯店。ケ小平も通った名店だ。でも麻婆豆腐は26元で高級店としては高くない。そしてなぜかこの麻婆豆腐はあまり辛くない。北京風?ここでやっと長城ワインにご対面。干葡萄からつくった2002年もの。甘い香りのするまろやかな赤ワイン。うまいね。
ワインも。
食い道楽ではないのに、久しぶりに「食」に反応してしまいました。
しかし、中国って、人多いですね・・・。
でも、うまい店はめちゃくちゃうまいですよ。
共産党幹部が行くような高級店でもそんなに高くないですし。
中国の人の多さに圧倒されます。
北京駅や上海駅の駅前広場は巨大な広場に常にうじゃうじゃ人がいます。
これを見るだけでもいちど中国に行く価値があるかも...