(前回の続き)

のんびり温泉旅行に来たはずなのに、山があれば登ってしまう悲しいさが。天狗原ゲレンデで朝一番のバスに満員を理由に乗車拒否されるも、20分後に無事にバスに拾ってもらって、ゴンドラ乗り場まで乗る。冬はなんども乗っているゴンドラだが、雪のないときに乗るのは新鮮。

ゴンドラを降りてゲレンデわきから歩き始め樹林を30分ほど登ると、本白根山の火口に到着。こもだではゆるい登りが続いているが、暑くもなく、寒くもなく、風もなく、汗もかかずに歩くにはちょうどいい気候だ。

火口を周遊するように火口の内側の砂礫に登山道がめぐらされている。ヴェースビオ火山を思い出す(ここ)。広葉樹はすべて葉を落とし、干からびた藻のように岩屑にコマクサが張り付いている。秋枯れのさみしい景色。

火口を半周し、さしたる登りもなく標高2171mの本白根山山頂に到着。赤茶けた景色。夕方から雨ということで、空も雲に覆われて重苦しい。しかし、視界は良好で志賀高原横手山の鉄塔がはっきり見える。

南を向けば浅間山を始めとする信越の山々が...浅間山の左にちょこんと頭を出しているのは富士山ではないか。

火口をひと回りして、再びゴンドラ駅に向かう。途中、右手に小さな火口湖、鏡池が現れる。枯れ木に囲まれた殺風景な池...池の中に亀甲状の模様が見えると書いてあるが、柵があって池に近づけなかった。

物寂しい秋枯れの景色にも目が慣れてきて、いろいろなものが見えてきた。これは紅葉したブルーベリー、くろまめの木。熟した実はとても甘い。思わず一粒口に入れるが、発酵してドロドロになっていた...ペッ、ペッ。

道は葉を落とした樹林の中をどんどん下っていく。この赤い実はなんだろう?よく見るんだけど。これがまさに「ルビー色」なんだろうな。
(次回に続く)