また、つるぎかよ!!と言われそうだが、先月に続き剱岳に行った。前回行けなかった北方稜線のリベンジだ。

早月尾根は「北の早月、南の黒戸」と言ってもいい、標高差のある長い尾根だ。昨晩降っていた激しい雨は止み、どんよりと曇っていても、暑くもなく寒くもなくちょうどいい感じだ。

微妙に秋色の森の中の、緩急のある道をひたすら登って行く。途中、下山してくる多くの人とすれ違う。なんでも、早月小屋から上は凍結しているので、小屋の主人に剱岳登頂を止めるように言われたそうだ。むむ、昨日の雨はここでは雪だったか。明日は大丈夫だろうか...


どんよりとした曇りは、突然大粒の激しい雨に変わった。急いで雨具を着るが、着ているあいだにもどんどんズボンが濡れてゆく。寒いよ〜。先週の鷹ノ巣谷と同じカッコだし。
雨に濡れた木の実はルビーのように輝いていた。

激しい雨はみぞれに変わり、そして標高2000mを越えると雪になった。風に舞う大きな薄片。久しぶりに見る景色だ。寒い...なんだか侘しい...。明日は大丈夫だろうか...不安はますます大きくなる。

3時近くなり、早月小屋に到着。小屋は雪雲に包まれている。飛び込むように小屋に入り、雨具を脱ぐ。ああ、小屋ってなんて暖かいんだろう。テントだったら今ごろ寒い寒い言いながら、必死でポールを差し込んでいたりするに違いない。
荷物を部屋の前に置き、すぐさま宴会開始。小屋ってなんて贅沢なんだろう。

今日は混んでいると聞いていたけれど、雪で下山してしまったのか、部屋には余裕があってゆったり眠れた。山で布団で眠れるなんて...。しかし、ただただ、雪がサラサラと小屋を打つ音が気になる。果たして明日は剱岳に登れるのか?
(次回に続く)
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