暑いときはまっぴら御免だが、涼しくなると丹沢に行きたくなる...。近いということもあるが、そのときの季節や天気、体のコンディションに合わせて、様々なコースが選べるのが魅力だ。
と言うことで、今回はきつくもなく緩くもなく、ちょっとマイナーで(途中まで)静かな山歩きが楽しめそうな、宮ヶ瀬から鍋割山を歩く。
夜明けやらぬ5時に家を出る。夏山の服装で行こうと思ったが、北風が強くフリースを着る。こんなときに限って自転車がパンクしていて、空気入れを持ってだましだまし自転車に乗る。以後、山では全く使わない自転車の空気入れを背負って山を歩く。人はこれを「無駄ボッカ」と呼ぶ...

なんとなく薄暗いジメジメした登山口から入山。

怪しい登山口からすぐにふかふかの落ち葉の道になる。そして、尾根に出て見事に色づいた木々の道を歩く。

天気は快晴。空は真っ青。紅葉は真っ赤。誰もいない。静かだ...。ちっ、ちっ、と鳥の声だけが聞こえる。

紅葉の木々から足元に視線を向ければ、そこでは冬枯れの中、緑の苔も頑張っている。


朝の北風はすっかり止んで、汗だくになりフリースを脱いで半そでのTシャツになる。

登山者は少ないが、道はしっかりと整備され、倒木もきちんと処理されている。



これは何かな?いっぱい落ちている。

金冷しは細い尾根だけあって、展望もいい。今日の朝バスを下りた宮ヶ瀬ダムの湖畔が見える。その向こうには関東平野が広がる。

本間ノ頭に向けて緩く長い、明るいブナ林の登りが始まる。丹沢らしい景色。そして苔むした倒木も裏丹沢らしい。

落ち葉の上の落し物。トルコ石のような木の実が点々と落ちていた。


ピークへの登りは落葉した明るいブナの林だが、なぜか下りは葉を茂らせた青々とした木々の合間の道。冬枯れと緑の景色が交互にやってくる。植生に変化があって面白い。

海が見えてきた。冷たく澄んだ青空にキラキラした相模湾。どちらも目が痛いほどまぶしい。

おお、ブナの巨木に巨大なキノコが。理由は分からないけど、このブナは一生を終えつつあるんだね...。

丹沢山に向けてひたすら単調に登る。木々の間から蛭ヶ岳や丹沢山が見える。この尾根道はずっとこんな林の中なので展望はイマイチ。でも今の時期ならそれもよし。



丹沢主稜線にでて初めて富士山とご対面。丹沢には何度も来ているが、こんなにきれいな富士山は初めて。山頂に腰を下ろしてゆっくり休憩。主稜線は寒いかと思ったが、風は弱く日差しは強いので半袖でも全然平気。日焼け止めを塗る。
雪は宝永火口の上あたりまでのようだ。さすがにスキーはまだ無理そうだ。
(次回に続く)