2011年05月23日

母島ビーチめぐり〜小笠原諸島の旅(10)

5/3 沖港〜蓬莱根海岸〜小富士〜南崎〜沖港

前回の続き)

110503小笠原母島南線の道端のパパイア

都道を北へてくてくと引き返す。道路のわきに立派なパパイアの木があった。青い実がたわわに実っている。あれをチャンプルや天ぷらにするとうまいんだよな〜。誰でもとれる場所に実がなっているのだが、誰も持っていかないのかな?


110503小笠原母島南京浜へ下る 南京浜の道標を見つけ、階段を海へ下る。ここまできたらすべてのビーチをめぐってやる。
メグロがさえずる道をしばらく行くと、分岐があり右が御幸之浜遊歩道、真っ直ぐ行くと南京浜とあった。

110503小笠原母島南京浜

南京浜。珊瑚が発達した浜辺というが、潮が満ち、波は荒く、おまけに海は霧に閉ざされ、殺伐とした雰囲気。


110503小笠原母島オカヤドカリ

先ほどの分岐まで戻り、御幸之浜遊歩道を歩く。

両側に藪が覆いかぶさる道に足を踏み入れると、足元で、「ガサ、ガサ」と音がする。私の足音に驚いたオカヤドカリがあわてて殻に閉じこもり、そのまま落ち葉の上を転がる音だった。ヤドカリが殻から出るまで身動きせず辛抱強く待ち、そしてやっと歩いている写真を撮ることができた。我慢比べは私の勝ち。


110503小笠原母島御幸浜

ホエール・ウオッチングポイントから浜辺に下りる。昭和天皇も来たという御幸之浜。ここは海域公園になっていて絶好のシュノーケリング・ポイントと言うが、波が荒く暗い...。そしてちょっと変わった岩...。


110503小笠原母島御幸之浜の貨幣石

岩に近寄ってみる。3、4cmくらいの貝殻みたいなものが岩にいっぱい刺さっている。これは貨幣石と呼ばれる有孔虫(石灰質の殻を持った原生生物、星砂も同じ仲間)の化石だ。


110503小笠原母島石次郎海岸

御幸之浜から道路に上がるとすぐにまた浜辺に下りる階段があった。これが今日最後のビーチ、石次郎海岸だ。狭い入り江の砂浜で、沖港の防波堤の内側にあるためほとんど波がない。のんびりとシュノーケリングをしている人がいた。


110503小笠原母島静沢の森の戦跡

霧が晴れてきたのでわずかな望みを託し、夕日を見に行く。静沢遊歩道が集落からもっとも近い夕日スポットだ。遊歩道を歩いて港を一望できる丘の上に立つ。そこには旧日本軍の十年式十二糎高角砲が残されていた。


110503小笠原母島の夕暮れ

望みはかなわず。海の上をはう雲に太陽は吸い込まれ、徐々に空は暗くなっていく。結局、いつ太陽が沈んだのかさえ分からなかった。まあ、でも今日も充実した一日だった。


次回に続く)





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2011年05月24日

父島ふたたび〜小笠原諸島の旅(11)

5/4 母島〜父島(釣浜、夜ツアー)

前回の続き)

110504小笠原母島小剣先山岩場コース 今日は父島に戻る日。

ははじま丸の出港が10時半でまだ時間があるので、集落から20分くらいで登れる小剣先山に登る。山頂が近づくと細い急な岩尾根になる。でも鎖はしっかりついているから問題ない。

110504小笠原母島小剣先山からの眺め

111.9mの山頂からは港や集落が一望でき、その向こうには向島も見える。青い空、青い海。昨日までの霧の海とは大違い。母島にやって来た日と同じ最高の天気。山頂に吹く風も心地よい。


110504小笠原母島清見が岡鍾乳洞

小剣先山から下りてきてまだ時間があるので、集落のそばにある清見が岡鍾乳洞に行く。鍾乳洞の入り口には鍵がかかっているので、港にある観光協会に行って鍵を借りなければいけない。

全部見るのに5分もかからない小さな鍾乳洞で、鍾乳洞らしい写真を撮るのに苦労した。


110504小笠原母島鍾乳洞の横のお地蔵さん

鍾乳洞の入り口にあるお地蔵さん。ガジュマルとお地蔵さんは人の営みのしるし。


110504小笠原母島観光案内所の横のクジラ 観光協会の横にいるクジラ。ずっと写真を撮ろうと思っていたのだが、昨日までは霧に包まれていてイマイチだった。今日は青空の下の元気な姿を写真に撮れた。

110504小笠原母島ははじままるに乗船 いよいよ乗船のとき。あまりたくさんいない島民がたくさん見送りに来ていた。石門でお世話になったガイドさんの奥様も見送りに来てくれた。
船の甲板に上がってふと沖のほうを見ると、向島の手前をクジラが潮を吹きながら泳いでいた。カメラを向けるが非力なカメラではゴマ粒以下にしか写らなかった...



船が港を離れる。見送りの人々が手を振る。子供たちが海に飛び込む...。島の別れは感傷的になる。


110504小笠原母島さようなら母島

さようなら母島。


110504小笠原父島おがさわら丸

クジラを探してずっと甲板に立っていたが、結局現われず。母島とはうって変わってどんよりと曇った父島に到着。久しぶりにおがさわら丸と対面。


110504小笠原父島ビューホテル 今日からお世話になる父島ビューホテル。マンション形式のホテルで、部屋はきれいでベットはふかふか、キッチンやレンジもそろっていて言うことなし。

110504小笠原父島島寿司 ホテルにチェックアウトするともう1時を過ぎていた。腹減った〜。で、名物、島寿司を食べに行った。島寿司はもともと保存食として作られた沖鰆のづけを握ったもの。島ではかつて山葵が手に入らなかったので、かわりにカラシが塗ってある。ねっとりとした鰆の食感がなんとも言えない。

110504小笠原父島おがさわら丸を見送る1

食事が終わって店を出ると、ドンドコと太鼓の音が聞こえる。ちょうどおがさわら丸が東京に向けて出港するところだった。船を見送ることなどなかなかできない。港に走っていく。

船のデッキには何百人もの乗客がびっしりと並び、みんな手を振っている。




そしてここでも子供たちが海に飛び込む...


110504小笠原父島おがさわら丸を見送る2

見送りの船を引き連れたおがさわら丸が小さくなってゆく...。父島に着いたばかりなのに、3日後の別れを思って、なんかさみしくなった。


次回に続く)



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2011年05月26日

夜のおたのしみ〜小笠原諸島の旅(12)

5/4 母島〜父島(釣浜、夜ツアー)

前回の続き)

110504小笠原父島ぎょさんが並ぶ

おがさわら丸を見送り、メインストリートにならぶスパーや土産屋をのぞく。一番目につくのはこのカラフルな小笠原名物「ぎょさん」。「漁業サンダル」や「漁師サンダル」の略らしい。一見、普通の便所サンダルだが、丈夫で滑りにくいとのことだ。


110504小笠原父島新亀入荷しました! 「新亀入荷しました!」スーパーの魚売り場には刺身用の海亀の肉が積んであった。冷凍より生のほうが断然うまいらしい。ちょっと目をはなしたすきに売り切れていた。大人気。
そしてそばには「海亀の卵」も売っていた。店員さんに食べ方を聞いたら「ここの人は食べないね〜」って誰が食べるんだ...

110504小笠原父島大村海岸

港から一番近いビーチはここ大村海岸。湾の奥、二見港の隣にあるので波は静か。そして細かい珊瑚砂の白いビーチ。トイレやシャワーも完備。


110504小笠原父島脇浜のエイ 水は透き通っていて、底を泳ぐエイも見える。

110504小笠原父島大神山公園展望台から二見港

二見港の道路をはさんだ向かい側が高台になっていて、上ってゆく階段があった。気になって上ってみると(どうしても高いところが気になる...)そこが大神山公園。これでもかというくらい展望台がたくさんある。そしてその眺めは、、、どんよりと沈んだ空と海。晴れていたらさぞきれいな景色なのだろう。


110504小笠原父島大上山公園展望台から三日月山方面

さっきの展望台からちょっとした岩尾根を歩いて行くとまた別の展望台があった。三日月山方面が見える。眼下には深い森、そして正面には霧に閉ざされた岩山。かつて行ったタイとミャンマーの国境のジャングルのような雰囲気だ。


110504小笠原父島宮之浜

街(大村)から北に15分ほど歩くと島の反対側に出る。ここが宮之浜。珊瑚も多く手軽なシュノーケリングポイントだが、天気のせいか寒々しい感じ。でも足元の岩場では鮮やかな熱帯魚が餌をついばんでいた。


110504小笠原父島宮之浜の夕暮れ

宮之浜から海岸の崖上の尾根に、海岸線に沿って電信山遊歩道という歩道が東に延びている。ここからの景色はなかなかすばらしい。逆光にきらめくの宮之浜、その向こうには兄島が見える。もう4時半を過ぎていて日没も近いが、時間が許す限り歩道を歩いてみよう。


110504小笠原父島釣浜展望台

釣浜展望台。向こうに見えるのはお隣の大きな無人島、兄島。静かだ。兄島と父島の間の海峡は兄島瀬戸。潮流が激しくまるで川のように流れている。


110504小笠原父島釣浜

遊歩道はいったん車道に出て、すぐに右手に浜に下りる道を分ける。ずんずん森の中を下りて行くとモクマオウの林に囲まれた、黒い玉石の海岸にでた。これが釣浜だ。波が寄せ、そして波が引くときにこの玉石が転がり「じゃらじゃらじゃら」と音を立てている。ひっそりとした海岸に、この玉石の音が繰り返す。

5時を過ぎて日は傾き、あたりを赤く染め始めている。やばいな、そろそろ戻らないと。遊歩道はまだ続いているが、あきらめて大村に戻る。


110504小笠原父島パラボラ

途中で道に迷ったものの、なんとか明るいうちに大村に戻れた。ひと安心。(すでに日は沈んでいるが...)


110504小笠原父島ぱくぱくの島野菜ちゃんぷる

夕食は食い処「波食波食」の島野菜チャンプル定食。これだけではさみしいので「島レモンサワー」で喉をうるおす。「波食波食」は一杯やることもできるし、定食も充実しているので、なにかと便利な飲食店だと思う。


いつもなら一杯やれば一日は終わりだが、今日はこのあと「夜のおたのしみ」がある。

夕食を終え、真っ暗になったころ夜のネイチャーツアーが始まる。「竹ネイチャーアカデミー」のナイトツアーに参加した。


110504小笠原父島小笠原大蝙蝠

まずは海岸に近い橋に連れて行かれる。ガイドさんが赤い光を出す懐中電灯でリュウゼツランの花を照らすと...そこには翼のあるサルが!いや、ちがう、オガサワラオオコウモリだ。小笠原諸島にだけ住むリスか小型のサルくらいの大きさの大型のコウモリだ。顔つきもリスか原始的なサルのようだ。2匹のコウモリがリュウゼツランの花をむしゃむしゃ食べている(果物や花の蜜が好き)。これを見れたので小笠原に来た目的も半分果たせた。

コウモリは目でははっきりと見えるのだが、写真にうまく撮れない。このために三脚を持ってきていたのに部屋に置いてきてしまった...


110504小笠原父島グリーンぺぺ

ちょっと移動して駐車場脇のビロウのような木の葉っぱの裏を除く。背の高さよりちょっと高いところに、緑色に光る親指くらいの大きさの物体が。これは発行キノコ、グリーンぺぺ。離れた場所からでも分かるほど強烈に光っている。でも三脚がないと写真にはうまく写らない...




小港海岸にやってきた。タイミングよく霧が晴れ、満天の星空が広がる。そして浜辺には、母島では暗い森の中でがさがさしていたオカヤドカリが、堂々と歩いている。うっかりすると踏んでしまいそうだ。もともとこいつは夜行性とのこと。


110504小笠原父島ミナミスナガニ

浜辺をすばやく動く小さな影。その正体はミナミスナガニ。甲羅の幅が1cmほどの小さな蟹だが、海亀の卵を食べてしまう、海亀の天敵。


次回に続く)



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2011年05月28日

別天地・南島〜小笠原諸島の旅(13)

5/5 父島・南島〜ハートロック〜兄島海中公園

前回の続き)

110505小笠原父島海ツアーの始まり 今日は思う存分海を楽しむぞー!竹ネイチャーアカデミーの南島上陸+ドルフィンスイム+シュノーケリングのてんこ盛りツアーに参加した。天気もまずまず。
まずはサンダルを洗ってボートに乗船。なぜ洗うか?それは南島に上陸するときに、サンダルの底についた土と一緒に外来の生物を持ち込まないためだ。

110505小笠原父島波を立ててボートは進む

ウエットスーツを腰まではいて(ちと寒い)ボートに乗り込みいざ出発!船長はボートの屋根の上でクジラやイルカを探しながら舵をとる。正面から風と波しぶきをうけながら突き進む。


110505小笠原父島霧の中、南島が見えてきた

なんだかだんだん霧が濃くなってきた...クジラどころじゃないな。正面にボーっと南島が現われた。

南島に近づくにつれて明らかに潮の流れが速くなり、波が島の断崖に打ちつけている。船は大きく揺れ、落ちないようにみんな手すりにつかまる。崖と岩礁に囲まれた南島に上陸するには難所があり、波の具合によっては上陸できないらしい。青の洞窟みたいだ。


110505小笠原父島・南島鮫池

幸いなことに島を回り込むと海は穏やかになり、無事に難所を通過、船を付けることのできる鮫池に入ることができた。


南島は浸食された石灰岩の大地、カルスト地形が海に沈降してできた島だ。このような地形を「沈水カルスト地形」と言う。秋吉台が海に沈んだと思えばよろしい。石灰岩が浸食されてできるすり鉢型の地形、ドリーネが海に沈んだのがこの鮫池だ。南島全体が「小笠原南島の沈水カルスト地形」として国の特別天然記念物に指定されている。


110505小笠原父島・南島に上陸

南島にいざ上陸。ラピエ(石灰岩の露岩)に船を係留し、岩に飛び移りよじ登る。

島に上陸できるのは1日100人まで。1人のガイドが案内できるのは一度に15人まで。最大2時間。島の自然を守るために厳しい制限が課せられている。丘の上にはテントを張って制限が守られているか監視している人がいた(写真右上にテントが小さく写ってる)。


110505小笠原父島・南島の花

花。ガイドさんに言われるままに撮ったがなんだか忘れてしまった。きっと珍しい花に違いない。南島は無人島なので父島で絶滅してしまった生物も見られる。


110505小笠原父島・南島鮫池を丘の上から

丘の頂上に上がった。霧が晴れ、船をつけた鮫池が見渡せる。クレーターの水溜りみたいだ。


110505小笠原父島・南島扇池を丘の上から

視線を鮫池から左に移す。そこには白い浜に囲まれ、外海と洞窟でつながった青い天然のプールがあった。扇池だ。別世界の美しさ。この景色を見るために小笠原に来たといってもいい。霧でちょっともやもやしているのと、美しさをうまく写真に残せないのが残念。


110505小笠原父島・南島のムニンキケマン

丘の上のラピエの割れ目にムニンキケマンが咲いていた。「ムニン」とは無人のことで小笠原の固有種には多い名前だが、このムニンキケマンは伊豆諸島にもあるそうだ。


110505小笠原父島・南島扇池のカタツムリの化石が散らばる浜

扇池の浜に下りる。細かい珊瑚砂の浜に無数の貝殻が転がっている。カタツムリの化石だ。どんだけカタツムリがいたんだよ!。足の踏み場もないほど転がっていて、この特別天然記念物を踏まないように歩くのは至難の業だ。


110505小笠原父島・南島ヒロベソカタマイマイ

ほとんどはヒロベソカタマイマイという貝だが、良く見ると数種類あるのがわかる。並べて写真を撮ろうとすると、ガイドさんから「いじらないで」と注意された...


110505小笠原父島・南島ヤドカリ

ここのヤドカリはもちろん化石の家。


110505小笠原父島・南島扇池で泳ぐ

よし!扇池で泳ぐぞ!波もほとんどなく、本当にプールみたいだ。でも台風のときには、この岩壁を越えて波が打ち寄せ、扇池の浜もすべて海水に浸るとのこと。本当かウソかわからないが、ガイドさんが言うには、台風が来るたびに岩が崩れてこの洞窟の穴が大きくなっていっているそうだ。


110505小笠原父島・南島ボートに戻る

制限時間一杯。2時間ぎりぎりねばって鮫池に戻り、ボートに乗る。鮫池は鮫がいるから鮫池。母島でみた例のネムリブカがたくさんいる。みんな鮫を見るためにシュノーケリングをしていたが、私は母島で十分戯れたので遠慮しておく。


110505小笠原父島・南島波打ち際のミドリイシ ふと波打ち際に目をやると、なんとミドリイシ(枝サンゴ)が海の上にでている。これは潮下帯に生息するものだと思っていた。大潮ということもあろうが、命あふれる小笠原の海に感動。



南島で夕日を見てみたいな〜、などとかなわぬ未練を感じつつ島を後にする。クレーターのような鮫池は、ふちが欠けたようなところが一ヶ所あって、そこで外海とつながっている。その水路の岩と岩の間はボートの倍ぐらいしかない。ここが南島上陸のための難所だ。


次回に続く)



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2011年05月29日

ド、ドルフィンスイム...〜小笠原諸島の旅(14)

5/5 父島・南島〜ハートロック〜兄島海中公園

前回の続き)

110505小笠原父島・南崎付近

南島を後に南崎へまわる。このあたりには垂直な壁を持った岩礁が林立している。う〜ん、これを登るのは気持いいだろうな〜、あの上に立ってみたいな〜。ビレイはどうしたらいいんだろう...


船長の竹さんはボートの屋根で、岩礁を避けつつ、水平線に目を走らせつつボートを操る。そのとき...


110505小笠原父島・クジラの潮吹き

「2時の方向、クジラ!」


右前方に目をやると100mほど先にクジラが潮を吹いていた。みんながどっと船の右側に集まる。おいおい、前に出るな、頭がじゃまで写真撮れないよ!...ドタドタしている間に、ザトウクジラは三角形の大きな尾を空中に大きく振り上げ、勢いをつけて海に潜っていった...


このあとは、イルカと一緒に海を泳ぐドルフィンスイムだ。だが、写真はない。なぜなら戦場だったから...写真のかわりにちょっと長いが実況を。


ハンドウイルカを見つけると、竹さんはイルカの進路前方に船をまわす。そして竹さんの「10時の方向!」の掛け声がかかる。するとみんな必死の形相でフィンをつけた足で、陸に上がったアザラシのごとく、バタバタとボートの左に駆け寄り、ドボン、ドボンと海に飛び込む。竹さんは「静かに入って!」と叫んでいるが聞いちゃいね〜。運がよければ飛び込んだ所をイルカが通り過ぎ、それを10人くらいが全速力、必死のバタ足で追っかける。イルカと泳ぐと聞いていたけど、大勢でイルカを追い回す展開。


イルカを見失い海面から頭を上げると、みんなとんでもない遠くにいて、ボートもそちらに待機していたりする。すでに全速力のバタ足で完全に息が上がっているが、ここで海に沈むわけには行かない。残った力を振り絞ってボートまで泳いでいく。ヘロヘロになってボートに上がろうとして上がりきれず、力尽きて海に落ちる者が出てくる始末。ボートに上がれば、腰が抜けたようになり、みな言葉も出ずただゼーゼー言うだけ。

これを5セット繰り返した。ドルフィンスイムってなんて過酷なんだ...。そしてきっとイルカにとっては、訳の分からぬ生き物が大挙して追っかけてくる、恐ろしい体験...。


海に飛び込めばすべてが青に包まれる。目を凝らして底を見ようとしても見えない。ただ氷河湖の青のような水色がかった光が踊っている。おそらく海底はサンゴ砂なのだろう。自分の呼吸の音とバタ足の音だけが聞こえる。そして時に、手が触れそうなくらい近くをイルカがスーッと横切ったり、クルリとまわったりしている。なんとも不思議な感覚。知人は防水デジカメで見事にイルカの動画を撮っていた。持って来ればよかった...


110505小笠原父島・ハートロック

今のドルフィンスイムができるイルカはハンドウイルカという種類で、今度は船と一緒に泳ぐハシナガイルカに会いに行く。船をハートロックに向ける。ハートロックとは断崖がクラックでハートの形に縁取られているところ。


110505小笠原父島・ハシナガイルカ

ハシナガイルカの群れを発見。こんどは船でイルカを追っかける...




ハシナガイルカの群れにカツオ位の大きさの赤ちゃんイルカがいて、ボートの上は大騒ぎ。女性陣が赤ちゃんイルカの写真を撮ろうと、デジカメを片手で構えたまま、ボートの上を右に左にイルカの動きにくっついてバタバタしている。イルカを追うボート。ボートに追われるイルカを追う人間...


110505小笠原父島・巽崎

さんざんイルカを追っかけまわして疲労困憊した頃、昼食。イルカさん、お疲れ様でした。昼食後は父島を巽崎を越えて南から東に回りこむ。父島の東海岸は南の海岸よりさらに険しく切り立った溶岩の断崖絶壁。こちら側に父島を作った火山の火口があったとのことだ。


110505小笠原父島・巽湾のマンタ

巽湾のあたりで頭上より竹さんの声。「マンタ!」


ボートのすぐ近くを大きなマンタがゆったりと泳いでいる。みんな、あわててシュノーケリングの装備を身につけ、また、必死の形相でバタバタ、ドボンドボンと海に飛び込む。

ああ、ここは深い。下を見ると底なしの青、いや闇だ。外洋の色ってこんな感じなんだろうか...。はっと我に返り、マンタを探す。目の前に畳が浮いている。いや、マンタが海面すれすれに泳いでいる。必死で追っかけたが、マンタは完全に我関せずで引き離されてしまった。ゆったりしているようで泳ぐのは速い。


反射でわかりにくいが写真には、水面からでたマンタの両ヒレが写っている。


110505小笠原父島・兄島海中公園キャベツビーチ

必死のマンタスイムを終え、ボートはさらに北上し、兄島と父島の間の海峡、兄島瀬戸に入る。昨日、電信山歩道から見たた所だ。兄島のキャベツビーチでボートを係留しシュノーケリングタイム。ここはのんびりと泳ぐ。水深は1〜5mくらいで、背が立つくらい浅いところに大きなテーブルサンゴや枝サンゴの森が広がっている。すごい。もちろん魚もうじゃうじゃいて、伊豆七島と小笠原にしかいないチョウチョウウオ、ユウゼンも見られる。本当に楽しい。でも寒くて歯がガチガチいってきた。シュノーケリングを堪能するにはGWはちょっと早いみたいだ。


そして午後4時、父島二見港に帰還。もうぐったり。でも楽しかった。ツアースタッフの皆さん、ありがとうございました。


110505小笠原父島・三日月山展望台の夕日

シャワーを浴びて、スパークリングで一息ついたあと、夕日を見に行く。大村から上り坂をひたすら歩き40分で、夕日の名所、三日月山展望台に到着。大勢の人が座って日が沈むのを待っていた。そして、見事な夕日が...と言いたいが、例のごとく太陽は海面を覆う雲に吸い込まれ、いつ沈んだのか分からないような状況だった。


110505小笠原父島・亀刺し 大成功だった1日(正直に言えばクジラの写真を撮りそこなったのが残念...)を祝して島の料理で乾杯。これは「亀刺し」。アオウミガメの刺身。アオウミガメは環境庁レッドリストで絶滅危惧II類に指定される絶滅危惧生物だ。でも食べちゃう。小笠原では漁獲量を制限し、人工孵化放流など保護対策をしたうえで食用としてる。味は...脂のない馬刺しをテロッと柔らかくした感じ?

110505小笠原父島・亀煮込み こちらは「亀煮込み」。亀のモツ煮だ。刻みネギが山ほどのっている...それは独特の臭みがあるから。普通のモツ煮よりもモツの匂いが強く、肉はゼラチン質でプリッとした感じ。これは焼酎が合うぞ〜。焼酎をちびちびやりながら、「匂いがちょっと無理」とか言っている女性陣を横目に箸で突っつく。

次回に続く)



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