2007年08月06日

沢を登り高天原温泉へ!・・・黒部川源流散策(3)

3日目 黒部五郎小舎〜五郎沢下降〜祖父沢遡行〜雲ノ平〜高天原山荘

前回の続き)

070806黒部五郎小屋の朝

さわやかな夏山の朝。コバイケイソウに囲まれたテントでの目覚め。


070806踏み跡をたどり五郎沢へ下る

黒部五郎小舎の正面の湿原につけられた踏み跡をたどり五郎沢に入る。踏み跡はお花畑や池塘のある湿原をぬって、やがて源流の細い流れに至る。

今日は雲ひとつなく風もない。暑い日になりそうだが今日は高天原温泉で汗が流せるのが楽しみだ。


070806五郎沢源頭の湿原

鏡のような池塘の水面に朝日をあびた黒部五郎が静かに映っていた。


070806五郎沢 五郎沢は「ゴーロ沢」だ。大きな岩がごろごろした荒れ沢だ。滝もすべてチョックストーン?で面白くない、というか両岸は崩れそうだし、木が根こそぎ倒れていたりして怖い。雨の時には絶対に歩きたくない。

070806五郎沢出合、黒部川に合流 五郎沢を下りきり黒部川本流に合流する。やっと沢らしい沢になった。

070806祖父沢に入る

そのまま本流を少し遡行し祖父沢に入る。このあたりは魚影も濃く釣り人も多い。

祖父沢もゴーロの沢だが、五郎沢と違いあまり荒れてなく、鳥のさえずりも聴かれる明るい高原の沢だ。始めはルンルン登ってゆくが、だんだんゴーロにも飽きてきてうんざりしてくる。


070806祖父沢源頭

ゴーロばかりでいい加減げんなりしてきたところで、川床が高くなり空が開け、滑状の小滝が連続し、また登行意欲がわいてくる。


070806祖父沢源頭の花

花咲く原野の真ん中を沢は走る。


070806祖父沢源頭から黒部五郎岳

雲ノ平のキャンプ場も近くなると流れはひとまたぎほどの大きさになるので、そこで沢装備を解除する。振り返ればお花畑の向こうに今日の朝発った黒部五郎がどーんとたっている。
ここでもまたなるべく高山植物を踏まないようにそろりそろりと登山道に向かった。今回は自然を壊してばかりだな...


070806雲ノ平から水晶岳

雲ノ平は水晶岳、薬師岳、黒部五郎岳のでっかい山々に囲まれ、黒部川が縁を流れる溶岩台地だ。本州有数の広大なお花畑で知られるが、その割には人が少ない。どこから登ってきても1日以上かかる山の深さのためだろう。


110709パノラマ合成後

雲ノ平山荘付近でのパノラマ写真(写真クリックで拡大)。高原の広さと周りを囲む山々がよくわかる。

ここに来たのは十数年ぶりだが、そのときに比べ登山道わきの裸地化が進んでいるように見えた。


070806高天原を横断、小屋は近い

せっかく祖父沢を400mばかり登ってきたのに、高天原に向けてほとんど同じだけ下る。始めは雲ノ平の丘を花を見ながらぽこぽこ歩く。日差しが暑い。やがていくつものはしごがかかる樹林帯の急坂を下る。蒸し暑い。縦走は暑い。おまけに蚋がうるさい。


そうこうしている間にニッコウキスゲの咲く湿原に出た。高天原だ。もう今日の宿、高天原山荘は近い。


070806高天原山荘 ああ、やっと高天原山荘に着いた。今日も長い一日だった。小さな小屋は旅行会社のツアーでいっぱいだった。こんなところまでツアーが...

070806高天原温泉 食事の前に待ちに待った高天原温泉に入りに行く。こんな北アルプスの奥深いど真ん中で温泉に入れるとはなんたる幸せ。温泉は温泉沢の川原のちょっと高くなったところにあり、女性用は板で囲まれているが、男性用(混浴)は板一枚の目隠しがあるだけなので、川原から丸見えだ。

湯は硫黄のにおいがして湯の花が湯の中にもわもわとしている。ひと汗流してすっきりしたが、服の替えがなく汗臭いシャツをまた着たので、たちまち汚い自分に戻ってしまった...

次回に続く)





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2007年08月07日

水晶岳、裏銀座漫遊(汗)・・・黒部川源流散策(4)

4日目 高天原山荘〜温泉沢ノ頭〜水晶岳〜水晶小屋〜野口五郎岳〜烏帽子小屋

前回の続き)

高天原見ると水晶岳が壁のようにそびえ立っている。今日はいきなりその高度差800mの急登を登り、そして行動時間も10時間以上の根性日だ。


070807温泉沢 まず温泉沢沿いの道を進む。温泉沢はところどころ岸が崩れたゴーロの荒れ沢で、沢沿いに目印のペンキが打ってある。河原が広くなって目印が分かりにくい所もあり、小さな渡渉も繰り返すので天気が悪いと歩きにくいだろう。やがて、道は雪渓に突き当たり尾根へと登ってゆく。

070807温泉沢から温泉沢の頭を目指す

温泉沢からの道がつけられた尾根は始めは樹林帯だが、登るに従って木々の高さが低くなりそして森林限界線上に出る。岩くずのざれた急な尾根だ。一歩登るごとに足元がずりずり崩れる。


070807高天原と薬師岳

振り返れば足元、温泉尾根の左下に、つい今朝出発した高天原山荘が小さく見える。そして、目をあげれば緑の雲ノ平の広がりがあり、その向こうには大きな薬師岳が控える。すばらしい展望が疲れを忘れさせてくれる。


070807温泉沢ノ頭から赤牛岳方面

とうとう温泉沢ノ頭に登りつめた。左に行けば赤牛岳を経由して置く黒部湖、いわゆる読売新道、右へ行けば水晶岳を経由して裏銀座だ。読売新道には駆り払いのないどろどろの道を延々と下り続けた忌まわしい記憶しかないので、今回はここで仲間と別れ一人烏帽子岳に向かう。烏帽子岳がはるかかなたに小さく見えた。今日中にあんなところまで行くのか...


070807温泉沢ノ頭から槍ヶ岳

反対側を眺めれば、水晶の肩に遠く、槍ヶ岳が頭を出している。


070807温泉沢ノ頭から水晶岳

温泉沢ノ頭から水晶岳までは両側が切れ落ちた細い岩尾根だ。急登で疲れた足は踏ん張りが効かずちょっとつらい。おまけにスタンスに茶色い蛇が鎮座していた。

水晶岳は小屋から見るとちょっともったりしているが、温泉沢ノ頭から見るとどっしりとして勇ましい。

水晶岳の頂上からは立山から槍穂までなだたる北アの山々が望める。まさに展望の山だ。


070807水晶小屋 そうこうするうちに水晶小屋に到着。稜線に建つ小さな小屋。

070807東沢乗越

裏銀座に入りこれから越える東沢乗越は、なんかゴジラの背を思い起こさせる、ギザギザ、イワイワした感じの細い尾根だ。でも道はしっかり付いているので、よそ見をしながら歩かなければ問題なし。


070807東沢乗越と野口五郎岳の間の花畑1

東沢乗越を越えると稜線はいくぶんか穏やかになり、紫や黄色の色とりどりの花に覆われる。


070807東沢乗越と野口五郎岳の間の花畑2

花。


070807東沢乗越と野口五郎岳の間の花畑3

やっぱり花。今回の山行ではここの花が一番きれいだった。


070807野口五郎小屋

この白いザレの尾根道は歩きやすいが、とてもまぶしい上に照り返しが暑い。ところどころにある溶岩のような大きなゴーロ(トムラウシ状態と命名)を乗り越えるのに足を上げるのがだるい。


なんとか1時すぎには野口五郎小屋に到着。ここまで頑張った御褒美に小屋で500mlのコーラを買って一気に飲み干す。なんと、たちまち力がわいてきて疲れがふっとんだ。さすが高カロリーカフェイン飲料、一瞬でおにぎり2個くらい食べた効果があるのだ。


070807烏帽子小屋 雲行きが怪しい。夕立がきそうだ。コーラパワーで烏帽子小屋まで走ってゆく。右手にダムをはさんで悠然とそびえる餓鬼岳を見て初冬に行くことを誓う。
烏帽子小屋にはなんとか3時過ぎに到着。

070807リンドウ はあ〜っ、900mの登りと10時間弱の行動を無事こなした。小屋の前にはリンドウが満開だった。

さて、雨が降り出す前にツエルトを張ってしまおう。食事の準備もしよう。夕食はカレー2人前だ。

次回に続く)



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2007年08月08日

ブナ立尾根で苦闘・・・黒部川源流散策(5)

5日目 烏帽子小屋〜烏帽子岳〜烏帽子小屋〜高瀬ダム

前回の続き)

070808烏帽子岳

早朝、下山の前に小屋に荷物をおいて烏帽子岳を往復する。以前、針ノ木岳から縦走したときもここを通った。ちょっと懐かしい感じ。烏帽子岳は遠くから見ると尾根上のちょっとしたでっぱりにすぎないが、近くで見るとなかなかカッコいい。


070808コマクサ 小屋から南沢岳までの稜線は穏やかで標高も低いのでコマクサをはじめとして花が多い。

070808ブナ立尾根 北アルプス3大急登に数えられるブナ立尾根を下る。名前のとおりブナの茂る尾根で、高瀬ダムまで一直線に下る。急な下り坂は疲労のたまった足に厳しい。と、段差の下に足を下ろし、滑ったときに踏ん張りきれず右足のひざの上の筋肉にズキッ、と痛みが。始めはたいしたことはなかったが、だんだん内出血して腫れてきた。軽い肉離れだろう。下からは暑さで汗をかきかき大勢のひとが登ってくる。私は痛みで冷や汗タラタラでよろよろと下る。

はじめにとばしていたおかげで、足の痛みにもかかわらず予定時間どおり高瀬ダムまで下山することができた。ただ、タクシー代をケチるために葛温泉まで歩こうと思っていたが、もう一歩も歩きたくない。タクシーのメーターに冷や冷やしながら大町温泉に向かった。

今回のルート





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2007年08月25日

名渓でスラブを堪能・・・釜の沢・東俣から甲武信ヶ岳(1)

1日目 西沢渓谷入り口〜釜ノ沢出合〜釜ノ沢・東俣〜広川原

毎日暑い、暑い!そんなときは沢登りに行くに限る。
と言うわけで、奥秩父を代表する、いや日本を代表する沢、釜ノ沢・東俣を遡行した。

070825ほら貝のゴルジュ 西沢渓谷入り口から釜ノ沢出合までのアプローチがちょっとしんどい。東沢に沿ってついている崩れかけた道をたどって出合まで行かなければならない。途中、ホラ貝ノ沢にかかる橋は完全に落ちてしまっているようなので、東沢に下りてから沢を渡りまた登り返した。
その下りたところにホラ貝ノゴルジュがある。東沢の水が鮮やかに輝くブルーの狭いゴルジュから流れ出している。不思議な色だ。東沢の水の色は濃いブルーからエメラルドグリーンまで様々に変化してとても美しい。

出合までは道は荒れているが、ところどころにワイヤーが張られているので迷うことはない。ただ、かなり歩きにくいところもあり、私は途中、渡渉で転んで沢登りを始める前にずぶ濡れになった...
釜ノ沢出合では20人(!)ほどの登山者が休んでいた。沢でこんなに多くの人を見たのは初めてだ。さすが東沢・釜ノ沢。

070825魚止メの滝 出合から魚止メの滝はすぐだ。アスファルトのような色をしたツルツルのスラブに水が流れている。ガイドブックは登りにくいとかあるが、左の乾いたスラブに細かなスタンスがあるので、それを利用して普通に巻ける。

070825千畳のナメ 魚止メの滝の上からすぐ千畳のナメが始まる。広い道路のような緩やかに続くスラブに水がサーッと滑るように流れている。夏の暑い太陽の下、バシャバシャと水を跳ねかせながら気持ちよく歩く。

次は曲り滝にであう。右のルンゼから巻く。崩れやすく、上部では2mほど斜めったスラブをトラバースするが慎重にあるけば問題ない。(おそらく雨が降っていたらちょっとやだ。)

070825両門ノ滝 本日のメインイベント、両門ノ滝。写真では右側の滝しか見えていないが、ほぼ左右対称に2つのスラブ滝がひとつの滝つぼに落ちている。ここでみんなで滝を滑ってウォータースライダーを堪能する。まるで子供のようだ。やりすぎて寒くなった。
滝は広葉樹に覆われている。秋はさぞ紅葉がきれいだろう。

070825ヤゲンの滝 ヤゲンノ滝。とても登れないので、右側の急なリッジを木をつかむようにして登り巻く。この先すぐにある6mの滝を登りきると、急に沢の雰囲気が変わり中流域の川原のような広川原が延々と続く。

070825広川原 広川原の左岸の林の奥には公園のように広々した場所がいくつかあって、快適なサイト場を提供してくれる。まだ2時半でちょっと早いが、今日はここにテントを張る(なんかだらしない張り方だなぁ)。夜は焚き火を囲みのんびりと酒を飲みながら、自然の中にいる実感を味わった。




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2007年08月26日

沢をつめ甲武信ヶ岳へ(暑い...)・・・釜ノ沢・東俣から甲武信ヶ岳(2)

2日目 広川原〜ポンプ小屋〜甲武信ヶ岳〜徳ちゃん新道〜西沢渓谷入り口

070826スラブ滝 快適なサイト場を後に遡行を再開する。水師沢を左に分けると倒木が多くなり荒れた沢となる。沢筋を行かず岸につけられた踏み跡をたどり効率よく登る。
やがて木賊沢を分ける30m3段スラブ滝が現れる。1段目は右から楽に登る。2段目は右の壁沿いの草のついた岩を登る。3級下くらいではないかと思うが高度感があり、もし落ちたらただでは済まないだろう。2段目を登ったら木賊沢を渡って、本流の滝左岸の踏み跡を行く。

070826ポンプ小屋 スラブ滝を登ったあとも、延々とゆるいスラブと滑滝が続く。そしてそのまま遡行終了点のポンプ小屋に導かれる。
ポンプ小屋で身支度を整え、10分の登りで甲武信小屋にたどり着く。

070826甲武信ヶ岳 小屋から空身で甲武信ヶ岳の山頂を往復した。10年ほど前の正月に来たときは、山頂は単なるこんもりとした雪のピークであったが、なんと、今回は山頂には「日本百名山 甲武信ヶ岳」と書かれた見上げるほどのケルン?が建っていた。なんてものを...

山頂からはちょっともやもやしているものの、奥秩父の山々を望むことができた。奥秩父の良さはうっそうとした森と東京に近いながらも山深いことだ。

070826徳ちゃん新道 戸渡尾根の徳ちゃん新道を走って下る。以前より岩が出ていたりして歩きにくくなったが、それでもヌク沢に下りるよりずっと速い。それにしても尾根は暑い。沢の水が恋しい。
途中、石楠花の回廊があった。ぜひ花の時期に来たいものだ。




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