2011年12月01日

新雪と澄みきった青空〜立山・室堂(2)

11/26 室堂〜一ノ越〜雷鳥沢〜室堂

前回の続き)

111126立山スキー・夜明け前の大日岳

5時起床。テントが狭くて寝苦しかったが、かえって3シーズンシュラフでも全然寒くはなかった。起きるなり食事の準備を始める。テントの外がほのかに明るくなってきたので、外に出てみる。無風快晴。暁の光に照らされた大日岳が浮かび上がる。


111126立山スキー・立山に朝日が当たる

7時半ともなれば、立山の峰々に朝日が当たる。夜半まで吹雪いていたので、雪は新雪、穢れなき純白。空は雲ひとつなく晴れわたり、絶好のスキー日和だ。よし、初山スキーのメンバーもいることだし、まずは定番、一ノ越に登って雷鳥沢を滑ろうかな。


111126立山スキー・雷鳥平に滑り下りる

雷鳥荘から雷鳥平を見下ろす。例年であれば雷鳥平にテントを張るので、この斜面を巨大なザックを背負ってヨタヨタと滑る。しかし、今日は軽い日帰り装備だ。新雪が吹き溜まった斜面に思い切り飛び込む。


111126立山スキー・称名川を渡る 雷鳥平から称名川を渡って一ノ越への登りに取り付く。雪が少ないからどんなかな?と思っていたが、ここは例年とおなじくらいの積雪があった。

111126立山スキー・称名川と大日岳

ああ、美しい。新雪と澄みきった青空。こんなにすばらしい天気に恵まれて、なんてラッキーなんだ。


111126立山スキー・雪煙舞う立山

立山の峰々に目を移すと、稜線に雪煙がたっているのが見える。ここは全く風がなく、歩いていると汗をかくほどだが、3000mの稜線には冷たい季節風が吹きつけているのだろう。


111126立山スキー・雷鳥坂を登る

板にシールを貼って登頂開始。真っ白な雪面につけられた先行者のトレースをたどる。パックされた新雪にシールが気持ちよくきまる。しかし、入山者は少なく、このトレースを歩いたのも数人だろう。雪を踏むとまだわずかにもぐる。シュプールも1本しか見当たらない。毎年、蟻の行列のようになって登ったのがウソのようだ。


111126立山スキー・大日岳と能登半島

高度を上げるにつれ、周囲の山々は低くなり、そしてより遠くの景色が広がる。大日岳の右後にはっきりと能登半島が見える。なんどもこの時期の立山に通っているが、新鮮な風景だ。

それにしても暖かい。と言うか暑い。まるで春山だ。手袋を薄手のものに替え、帽子とネックガードを取り、アウターの前を全開にして、汗をかきながら登る。


111126立山スキー・白山

白山もはっきり見える。


111126立山スキー・一ノ越直前の細い尾根

2600mあたりの急登をさっくりこなして主稜線にでる。もっとも、シールに不慣れなメンバーには、新雪がサラサラと崩れる蟻地獄のような登りだったようだが...。いずれにせよ一ノ越はすぐそこだ。風が冷たくなってきた。脱いでいた帽子や手袋をまた身につけて、もうひと頑張り。


111126立山スキー・剣御前小屋

一ノ越の直前でちょっとしたトラバースがある。いつもここから風が強くなる。今日も例外ではない。身を切るような冷たい風が、雪を巻き上げながら斜面に吹き付け、先行者のトレースをみるみる消してゆく。かっこいい写真を撮りたいが、風で体がよろめき、さらにカメラを構える手がどんどん冷たくなってゆくので、なかなか思い通りにならない。


次回に続く)





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2011年12月02日

雷鳥沢パウダー〜立山・室堂(3)

11/26 室堂〜一ノ越〜雷鳥沢〜室堂

前回の続き)



雪煙舞う一ノ越。はっきり言って寒い。


111126立山スキー・一ノ越から剱岳

今年3度目の一ノ越到着。正面には今年2回登った剱岳が地吹雪にかすんで見える。やっぱりかっこいいな。




切れるような強風が吹きすさぶ一ノ越。顔が痛て〜、でも剱沢で遊ぼ〜って言ったらみんなに拒否られてしまった。しかたなくさっさと下山にかかる。




小屋の直下は小さい尾根になっていて、その左側の沢も右側の沢も滑れるが、おそらく左側が本谷。左側の沢は出だしは急で、雪もあまりついていない。でもシュプールも1本しかついていない。迷わず左の沢に飛び込む。


111126立山スキー・雷鳥沢

雪は機能降ったばかりのパックされたやや硬めの新雪。雪を舞い上げながら、まるでイルカのようにに雪の海を浮き上がったり、ゆるやかに沈んだりしながら、重力に任せて滑り降りる。正面に広がるの槍や薬師の北アルプスの眺めも絶景。もうサイコー!!


111126立山スキー・山崎カールを臨む

雷鳥平まではあっという間。一ノ越まで3時間くらいかけて登ったのに、20分くらいで下りてしまった。楽しい時間は短い。あとはとぼとぼと上り下り歩いてサイト場に戻る。みくりが池の展望台から山崎カールがきれいに見える。今年は雪が少ないからやめたけど、来年はあそこを滑るぞ〜!


111126立山スキー・サイト場と浄土山

サイト場に到着。いつもならもう一本滑るところだが、今日はゆっくり登ったのでもう日は傾き、その余裕はない。そしたらやることはただ1つ。室堂ターミナルに行ってビールを買う。ビールを飲み飲み、夕食の準備。あ〜、雪も天気も良くて、最高の一日だった。


(次回に続く)



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2011年12月03日

国見岳登頂〜立山・室堂(4)

11/27 室堂〜国見岳〜室堂〜扇沢

前回の続き)

111127立山スキー・夜明け

暖かい夜だった。朝起きたとき、テントの内側にほとんど霜がおりていなかった。日本海にある弱い気圧の谷のために曇っているせいか?と、外に出てみるが、空はうっすらと巻層雲に覆われているものの、風も弱くまずまずの天気。

今日は軽くひと滑りしてから、アルペンルートが混雑する前に帰る予定だ。


111127立山スキー・国見岳へ、昨年の雪崩の斜面

国見岳に向かう。国見岳はカール状の魅惑的な斜面を持つが、頻繁に新雪雪崩が発生する危険地帯だ。去年の11月30日にもこの正面の斜面で雪崩が発生し、犠牲者がでている。今日は積雪が50cm〜1mくらいしかなく、弱層を確認しようとピットを掘ると地面が出てきてしまうほどだ。しかも風でパックされた新雪でかなりしまっている。絶好のチャンス。

どこから登ろうかと地図と実際の地形を眺めながら思案する。去年、雪崩れた斜面にトレースがついている。いくら雪が良くてもそんなところを登る気にはならない...


111127立山スキー・国見岳へ沢の左の尾根を登る 国見岳と室堂山の間の谷の右岸から、稜線からのびる小尾根にのる。傾斜も緩く、風上側なので雪もしまっている。無垢の雪面にトレースをつけながら快適に登る。
稜線に出てから、室堂山と国見岳の間の釣尾根を行くつもりだが地図では細い。それがちょっと心配。

111127立山スキー・剱岳

室堂山から台地のように突き出す尾根にのった。地図上では平坦な地形だが、実際は細かい凹凸があって、風上側の斜面ながら複雑に雪庇がついている。ここからの剱岳はなかなかかっこいい。


111127立山スキー・薬師岳、槍ヶ岳

主稜線に出た。薄曇だが空気は澄んでいて、薬師岳はもちろん槍穂から笠ヶ岳まではっきり見える。いつも室堂山の展望台で見る景色と同じ。


111127立山スキー・室堂山から国見岳へのつり尾根

心配していた室堂山から国見岳の釣尾根。鞍部までは雪原と言っていいほど広く快適そうな尾ね。しかしその先は...国見岳への登りは細く急なリッジになっている。トレースはそのリッジの右側にへばりつくように細くついてる。傾斜が急なのはいいが、ここから見ると一ヶ所、雪が切れて岩を越えているように見える。しかも右側は岩が頭を出す雪壁。


111127立山スキー・国見岳山頂からのパノラマ
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国見岳山頂到着。いつも見てるだけだった山にやっと登った。さすがに風は冷たい。展望は360度、室堂山の展望台よりずっと絶景だ。

問題の岩のでている場所は、本当に岩がでていた。その横のスキー1本分の幅しかない雪を崩れないように祈りながら踏んで越えた。


111127立山スキー・室堂ターミナル・剱岳

室堂ターミナルの後ろは雷鳥沢だ。なめらかに雪に覆われた雷鳥沢はスキーのためにあるんじゃないかと思えるほど。ターミナルの横にはたくさんのテントがある。指定地を大幅にはみ出して張られている。

さて、体が冷えないうちに下りよう。シールをはがしてカールのような美しい斜面に飛び込む。


111127立山スキー・シュプール

滑り下りた斜面を振り返る。真ん中の3本が我々のシュプール。誰も滑っていない、滑り出しが40度はあろうかという沢を、砂漠を爆走する4WDのように、パウダースノーを巻き上げながら落ちるように滑った。言うことなし!!こんな場所は、いつもだったら雪崩が怖くて滑れない。滑りに夢中になりすぎて、途中で写真を撮るのを忘れてしまった...


最高の滑りの余韻に浸りながら、道路をたどって室堂平のサイト場に戻る。テントの撤収をしていたら環境省のレンジャーが、サイト場を見まわりながらゴミを拾っていた。なんと、こんなところにゴミを落としていく不届き者がいるのだ!ついでにいろいろとお話をうかがった。


近年のバックカントリーブームで雷鳥平のサイト場のし尿(雪の上にしたものは春に一斉に融けて、あたりを汚す)が限界を超えて環境問題となった。そのため、室堂ターミナルのトイレが利用できる室堂平、それも石碑の周囲に限って今年、試験的にキャンプ指定地が設定された。ところが、予想外というか、予想通りというか、マナーを守らないバックカントリーヤーがあまりに多い。レンジャーも残念そうだった。これでは来年の設置は怪しいのではないか...


111127立山スキー・ここはトイレじゃないぞ! ここはトイレじゃないぞ!
室堂ターミナルのトイレがあるにも関わらず、雪の上にはあちこちに黄色い跡がある。この人たちはスキー場の真ん中や、公園の真ん中でするのだろうか?これでは何のためにここを指定地にしたのか分からない。

111127立山スキー・お花畑を掘り返す 雪を地面まで掘り下げて張っているテントが多い。高山植物はズタズタ。
雪を掘り下げてテントを張るのは、雪上技術としておかしい。海外では風除けのために掘り下げて張ることもあるが、日本では一晩の積雪が桁違いに多いため、掘り下げると雪が吹き溜まってテントが埋もれてしまう可能性がある。掘り下げずに風上にブロックを積むのが正解では?(我々はそうした。)



昼前に室堂を発つ。大観峰へ向かうトロリーバスが、トンネル工事の難所、破砕帯を通過する。この派手さは遊園地のアトラクションのような...


111127立山スキー・タンボ平

来るときは吹雪でなんにも見えなかったが、今日はロープウエイの窓から、新雪に覆われたタンボ平を見下ろす。もうなんとか滑れそうだな〜。


111127立山スキー・ケーブルカー運転台 なぜか扇沢に向かう人は少なく、アルペンルートはガラガラで順調に乗換えが進む。
ケーブルカーの運転台はとってもレトロ。

111127立山スキー・ケーブルカーの注意書き ケーブルカーの注意書き。観光客の半分が中国語を話している。中国語の勉強のために、片っ端から話しかけてみる。みんな台湾の方だった。震災支援のお礼を言おうとするが、それどころじゃないとばかりに、みんながみんな私の写真を撮りはじめる...スキーヤーが珍しいようだ。私も台湾でお世話になっているので、精一杯の笑顔で応える。そして、震災後も変わりなく日本を訪れてくれる、台湾の人々に心の中で感謝。

111127立山スキー・黒部ダムの雪は融けている

黒部ダムは雪解けを迎えた春のようだった。つい一昨日、ショベルカーで雪かきをしていたのがウソのよう。


111127立山スキー・黒部ダム駅はガラガラ トロリーバス黒部ダム駅。人がいない。アルペンルートがガラガラの理由が分かった...12時は1本しかバスがないので、接続がめちゃくちゃ悪い。40分待ち。

111127立山スキー・上原の湯 下山後、いつもは大町温泉だが、今日は上原の湯。源泉かけ流し。450円。ただ、ちょっと狭い。

(立山・室堂 完)



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2012年02月14日

二度あることは三度ある〜南蔵王(1)

2/4 すみかわスノーパーク〜大黒天〜すみかわスノーパーク

ここ2年ほど、毎冬、南蔵王・刈田岳〜不忘山の厳冬期スキー縦走を計画しているが、いつも行ってみたら吹雪で敗退、というパターンだ。ところが天気予報を見ると、冬型の気圧配置が緩み、天気は回復傾向らしい。で、思い切って金曜の夜に宮城蔵王に向けて出発した。


120204吹雪のすみかわスノーパーク 遠刈田温泉は晴れていたが、だんだん山に近づくにつれて雪が降り出し、すみかわスノーパークでは吹雪...今年も同じパターンか...。
しかし、負けてたまるかとばかり、動き出したばかりのリフトに飛び乗る。

120204吹雪の大黒天付近 刈田岳に向けて歩き出すも、進むにつれてますます風雪は強くなる。完全にホワイトアウトし空と雪面の境目が見えない。林道の路肩が見えずにストックで突っついて確認するほどだ。ストックで踏ん張らないと倒れるほど強い風がうなりをあげる。 大黒天まで来たが今までにないくらい雪が深く、斜面に踏み込むとスキーが膝まで沈む上に、左右に亀裂が走る。
しゃーない、危ないから引き返すか。

敗退写真を、と思ったがカメラが凍った。気温は-10度はないだろう。これしきで凍るとはS95弱し!厳冬期は壊れかけのD50を復活させるか。


120204遠刈田温泉神の湯

遠刈田温泉に戻り、またも「神の湯」に入り、「食事どころあいざわ」で夕食をとり、町営駐車場に車を止めて寝る。ああ、二度あることは三度ある...。

ちなみに神の湯には石鹸やシャンプーはないので、持参すること。


次回に続く)



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2012年02月15日

不忘山を目指すも...〜南蔵王(2)

2/5 宮城蔵王白石スキー場〜不忘山直下〜宮城蔵王白石スキー場

前回の続き)

120205遠刈田から蔵王連峰 刈田峠の小屋で目覚めるはずが、町営駐車場で目覚める。車のドアが凍り付いていて、外に出るのに苦労した。夜中にトイレに行きたくならなくて良かった...
青空が広がり、昨日は雲の中だった蔵王連峰も良く見える。

120205宮城蔵王白石スキー場 昨日敗退しなければ、今日は刈田峠から屏風岳、不忘山と縦走する予定だった。せめてその一部でもと思い、今日は宮城蔵王白石スキー場〜不忘山を往復する。ゲレンデ上部に向かうには右、左と2本のリフトがある。左のリフトの終点のほうが標高が高いが、右のほうが尾根沿いにルートを取れるので、右のリフトに乗る。

120205ゲレンデトップから登頂開始

ゲレンデトップでシールを貼って登頂開始。穏やかな天気に合わせてのんびり準備していたら10時になってしまった。やばい、急がなくては。しかし、トレースがなくいきなりラッセル。積雪は脛から深いところで膝くらい。かなり重い新雪で、スキーが刺さると持ち上げるのにえらい苦労する。その上、ちょっとでも傾斜がきついと雪がボロボロと崩れる。ああ、しんど。


120205尾根に乗る1200m付近

広い尾根に乗り、1200m付近にやってきた。雪原のような広く緩い尾根が続く。こんなに緩いと下りが苦労しそうだ。目の前に見える不忘山を目指し、ひたすらラッセルする。


120205やぶっぽい ラッセルだけでなく、しばしばラッセルしながら藪こぎを堪能する。悪夢のコラボレーション。

120205尾根がはっきりしてくる1300m

右に急な斜面を見ながら登っていくと1300m付近で傾斜が増し、明確な尾根となる。そして左手から来るしっかり踏まれたトレースと合流した。どうも正解はゲレンデの左のリフトだったらしい...。
朝は真っ青な空が広がる穏やかな天候だったのに、登るにつれて山にはガスがかかり、風がでてきた。




風はどんどん強くなる。斜面は硬くクラストしている。しかし、気温も-5度くらいでこの程度ならなんの支障もない。が、だらだらしていたせいで、制限時間が刻々と近づきつつある。


120205不忘山直下

不忘山山頂が見えるピョコに乗った。時刻は前進リミットの12時。終了。事前に前進するのは12時までと決めていたので、残念だが引き返すことにする。


120205滑降開始

強風のなかシールをはがして滑降開始。登ってきた尾根は藪が濃くて下りれない。そこでゲレンデから見て左手のリフトトップに向かって滑り出す。雪が重く思うようにターンできない。おまけに、ルートを誤るとたちまち藪に突入し、ビシバシと藪パンチをくらう。さらに1300mより下では傾斜がなく、滑るというより、えいや、えいやとストックで漕ぐ。お世辞にも快適とは言えない滑降だった。


120205鎌先温泉最上屋旅館

頂上は踏めず、藪に叩かれ、なんとか下山。山のことは忘れて、早々に温泉に向かう。向かった先は奥州の薬湯「鎌先温泉」。数件の温泉宿が山あいにひっそりと並ぶ、こじんまりとした温泉で、秘湯の趣き抜群。お風呂を頂いたのは日本秘湯の会会員の「最上屋旅館」。古い、木造の建物がレトロな湯治場の雰囲気を醸し出している。源泉かけ流しの茶色く濁ったお湯は、ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉。鉄分を含むため茶色く濁っている。ぬるめだが、それがゆる〜い感じでとてもいい。




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