2012年05月03日

奥利根の秘境・平ヶ岳山頂へ〜平ヶ岳(2)

4/29 猫又川二俣〜平ヶ岳〜ススヶ峰〜猫又川二俣

前回の続き)

平ヶ岳は利根川と只見川の分水嶺にあり、ほぼ無人地帯と言っていい利根川源流部のど真ん中にある山深い山だ。今日は猫又川二俣のベースから平ヶ岳を往復する。平ヶ岳への最短コースをとるが、およそ10時間近い行動を予定している。


120429平ヶ岳・猫又川を渡って出発

明るくなってきた5時15分出発。無風快晴。出発してすぐ、猫又川を渡るところが難所のひとつ。雪が少ないときには苦労するようだが、今回はご覧のように埋まっていて無事に渡れた。


120429平ヶ岳・二俣の尾根を行く 猫又川右俣と左俣の間の細長い尾根に取り付く。雪はカチカチながらもシールが良く効く。稜線に出ると汚れた雪に栂の森、ちょっと歩きにくい。
日差しが当たるととたんに暑くなってきた。すでに上半身ヒートテック一枚だ。

120429平ヶ岳・燧ケ岳が見えてきた

しばらくは濃い栂の森の木々の合間から、帰りに使う予定のススヶ峰から日崎山の稜線を確認しながら歩く。しかし、高度が上がるにつれ視界が開けてきて、燧ケ岳もよく見えるようになってきた。今日も本当に天気がいい。


120429平ヶ岳・大白沢山トラバース

取り付いた尾根からほぼ真っ直ぐ北上したが、1760mで向きを変え左の沢を渡って、大白沢山の尾根にのる。目の前には雪が落ちた大白沢山南東面の断崖が見えている。尾根の上には木々がまばらな緩やかな斜面が広がる。大白沢山−1911mピークのコルに向けて、トラバース気味にサクサクと登ってゆく。


120429平ヶ岳・稜線分岐1911ピーク 平ヶ岳への稜線を分ける1911mピーク。ルートファインディングでの目印だが、ただの雪の丘。

120429平ヶ岳・平ヶ岳へ続く稜線に入る

いよいよ平ヶ岳へ続く長大な稜線に滑り込む。と言ってもほとんど高低差のない緩やかなアップダウンを繰り返す尾根なので、シールは付けたまま。


120429平ヶ岳・雪庇が波打つ稜線を行く

1920mピークを左に巻き、下りにかかると平ヶ岳へ続く稜線が一望できる。平ヶ岳でかい!近いようにも見えるし、遠いようにも見える。2時間くらいで行くつもりだが、この足元の稜線は、50cmから1mぐらいの高さの波のように雪庇がうねっていて、かなり滑りにくい。


120429平ヶ岳・白沢山へ

白沢山手前の1895mのピークに上がった。栂の森はここでおしまい。ここからは平ヶ岳までご覧のように、遮る物のない広い真っ白な尾根が続く。視界がないときにはちょっとしんどそうだが、今日は最高のコンディション、目の前に見えている平ヶ岳を目指して突き進む。


120429平ヶ岳・平ヶ岳をのぞむパノラマ
写真をクリックで拡大

抜群の展望。風はないが透明度はいい。左手には谷川連峰、その向こうに苗場山、そして白毛門から巻機山に続く稜線が見えている。


120429平ヶ岳・巻機山方面

巻機山は完全に雪に覆われ滑らかな山容を見せている。まだまだ滑れそう。


120429平ヶ岳・平ヶ岳への斜面に取り付く

いよいよ平ヶ岳山頂への登りに取り付く。と言っても標高差は200mほどでたいしたことはない。帰りにここを滑るのかと思うとワクワクしてくる。


120429平ヶ岳・平ヶ岳の斜面を登る

暑さのためか相棒は少々バテ気味。でも山頂はもうすぐ。燧ケ岳もうしろから応援しているぞ。




平ヶ岳山頂はすぐそこだ!


次回に続く)





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2012年05月04日

山々に抱かれた滑降〜平ヶ岳(3)

4/29 猫又川二俣〜平ヶ岳〜ススヶ峰〜猫又川二俣

前回の続き)

120429平ヶ岳・平ヶ岳山頂

きゃっほー!ついに念願の雪の平ヶ岳山頂に到着!


120429平ヶ岳・山頂からのパノラマ
写真クリックで拡大

平ヶ岳山頂は広い台地のようなピーク。360度さえぎるもののないパーフェクトな展望。空には巻雲が現われているが、しかし、文句を言ったらバチが当たるような晴天。


写真左から遠くにおそらく西吾妻、そして近くに会津朝日岳、丸山岳、そこから稜線伝いに窓明、会津駒と続く。燧ケ岳があって、その右に日光白根や皇海といった日光の山々、尾瀬ヶ原から至仏、すぐ隣に笠ヶ岳。ずっと右に行って谷川連峰、谷川の手前から白毛門、大烏帽子、巻機、越後三山と長大な稜線が続く。越後三山の合間にある利根川水源の大水上山から剣ヶ倉を経て稜線はこの平ヶ岳へつながる(そう、白毛門から笠ヶ岳まで地形的には長大な馬蹄形縦走ができるのだ)。飯豊と思しき山々も見えている。なんという贅沢な景色だ。人工物は見えない(実はよくよく探すと2つほど見える...)。




携帯はばっちり3本、山頂ナウをつぶやく。そして、水が滴るほどぐしゃぐしゃに濡れているシールをはがし、待ちに待ったドロップイン!


120429平ヶ岳・山頂からドロップイン

どこを見ても山、山、山。山々に抱かれて大斜面を滑る。ちょっと重いけど、そこそこのザラメ。しあわせだな〜。


120429平ヶ岳・雪庇は崩れつつある

幸せは長くは続かない...。いくつかピョコを巻いて粘ったものの、白沢山の手前で滑降終了。びちょびちょでノリが効かなくなったシールをテーピングテープで板にくくり付け、また長い歩きの始まり。

ここ数日の暑さで、雪庇はどんどん崩れているようだ。


120429平ヶ岳・1920ピーク 波打つ雪了を登りきり1920mのピーク。幅50cmくらいしか雪がないところがあり、しかもその下は空間。トレースはついているが、おっかないのでスキーを脱いで藪を漕ぐ。

120429平ヶ岳・1911ピークからススヶ峰へ

稜線分岐の1911mのピークに戻りしばし休憩。あまりの暑さで靴の中が汗でぐっしょり、思いもよらぬところに靴擦れができて足が痛い。しかし、まだ縦走は続く。分岐からそのまま南下、崩れかけた雪庇が並ぶ稜線をススヶ峰を目指す。


120429平ヶ岳・ススヶ峰の登りと太陽に暈

平ヶ岳山頂で見た巻雲がどんどん厚くなり、ついに巻層雲となって空を覆う。太陽は暈を被る。

ススヶ峰へ真っ直ぐ登って行く。斜面には運動会の行進のように一列にならんだトレースがついている。なにをしたんだろう?


120429平ヶ岳・ススヶ峰山頂湿原

ススヶ峰山頂は巻いてしまう。そしてここは山頂直下の湿原。だだっ広い。視界がないときにはかなりいやらしい感じ。今回はこういう場所が多い。


120429平ヶ岳・ススヶ峰から至仏山

下る尾根をススヶ峰から確認。ススヶ峰の肩1800mから南東に猫又川二俣に落ちる尾根を滑る予定だ。尾根の落ち口は陰になっていて見えていない。手前の木の濃い小尾根の下部の奥に白い尾根がちょっと見えている。そこを滑る。地図からは快適な滑降ができそうに思える。ただし、下りたところで猫又川の支流をうまく渡れるだろうか...


120429平ヶ岳・ススヶ峰南東尾根滑り出し 地形図からは尾根の始まりは円いピョコとイメージしていたが、まさにそのとおりで、森の中の塚みたいな広場みたいな場所になっていて分かりやすい。そこからコンパスを切って栂の森に滑り込む。藪はいやだな〜。

120429平ヶ岳・ススヶ峰南東尾根の快適な斜面 栂の森の急斜面はすぐに終わり、まばらな木立の明るいはっきりとした尾根にのる。思いがけず快適な大斜面。今日頑張ったご褒美か?尾根の末端、猫又川まで一気に滑り下る。

120429平ヶ岳・猫又川スノーブリッジ 猫又川二俣に下りたが...目の前に見えている朝歩いたルートと私の間にはザバザバと流れる川が。グサグサに腐ったスノーブリッジが架かってはいるが...踏み抜いたらちょっとヤバイ。下流に行ったり上流に行ったり、右往左往してなんとか渡れる場所を見つけてサイト場に戻った。

今日の行動時間は10時間半。相棒の調子が悪く、ちょっと時間がかかった。でも充実したし無事に戻ってきたし、言うことなし。びちょびちょになったシールと靴下を木に干して、夕食の準備だ。


次回に続く)



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2012年05月05日

尾瀬をあとにし吹割の滝観光〜平ヶ岳(4)

4/30 猫又川二俣〜鳩待峠〜吹割の滝

前回の続き)

120430平ヶ岳・朝の背中アブリ田代

物憂げな朝。昨日の夕方に巻層雲に覆われていた空は、今朝は高層雲に覆われている。教科書どおりに天気が崩れてゆく。今日は至仏山を滑るつもりだったが、相棒は靴擦れがひどくもう滑れないとのこと。なのでそそくさと下山を始める。

猫又川に沿ってきたルートを鳩待峠に戻る。日差しはぼんやりしているが、かえってそれが湿原をやさしく包んでいる。


120430平ヶ岳・山ノ鼻のサイト場 山ノ鼻のサイト場にはテント村が出現していた。合宿と思える学生の団体もいて活気がある。

120430平ヶ岳・咲き始めた水芭蕉

日が高くなるにつれてどんどん暑くなる。あちこちで雪が割れ、よく見ると小さな水芭蕉が咲き始めている。

あまりの暑さにまた上はヒートテック一枚になる。ここにきてビニールの雨合羽にスニーカーというなにか勘違いした人たちを見かけるが、さすがに下着で歩いているのは私だけ...。


120430吹割の滝・入り口

至仏山をカットしてさっさと下りて来てしまったのでまだ朝だ。せっかくなので沼田に行く途中にある吹割の滝を観光する。このあたりはちょうど桜が見ごろで、いろいろな種類の桜が咲いている。


沼田市の吹割の滝案内図


120430吹割の滝・アジアンテイストのみやげ物屋

吹割の滝入り口から深く切れ込んだ渓谷に遊歩道を下りて行く。道に沿って並ぶ雑然とした土産屋は、韓国のソラクサンや台湾の陽明山を思い起こさせ、アジアンテイスト満点。




轟音をとどろかせ、水煙を上げる滝は迫力満点。想像以上。実はあまり期待していませんでした、なめていてごめんなさい。沢登の癖から「巻き込まれたら絶対死ぬな」などと考えてしまう。

なんでも滝の高さは7m、幅30m。浸食された岩の割れ目に大量の水が吸い込まれている。天然記念物にも指定され、東洋のナイヤガラと言われているそうだ。しかし、「東洋のナイヤガラ」と呼ばれる滝は中国や台湾など各地にあることを知っている...なので、ナイヤガラの滝を北米の吹割の滝と呼ぶことに勝手に決定。


120430吹割の滝・沢沿いの遊歩道

遊歩道の横を猛烈に水が流れているんですが、それも飛沫で遊歩道が濡れているんですが、、、落ちたら絶対に助からない。日本一危険な観光地?


120430吹割の滝・観瀑台から全景

沢沿いの遊歩道から吊橋で対岸に渡ると、詩の小道という林の中の遊歩道に導かれる。この小道は渓谷の高いところを通っているので、滝の全景が見渡せる。ここまで滝の水音が轟いてくる。


120430吹割の滝・遊歩道の野草

詩の小道には野草がたくさん咲いていた。これは一体なんでしょう?


滝をたっぷり観光したあと、温泉を探す。老神温泉に行ってみたが、昼前後に入れるところがない。残念。しかたがないので、沼田IC近くの「望郷の湯」に入る。


(平ヶ岳・完)


今回のコース





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2012年05月24日

春のお気楽山スキー〜乗鞍岳

5/19 観光センター前〜位ヶ原山荘〜肩ノ小屋口〜剣ヶ峰〜位ヶ原〜観光センター前

120519乗鞍岳・観光センター前 「この時期どこかいいところないですか〜?」と聞いたら「乗鞍はどうですか?」とのお答え。そこで残雪の乗鞍に滑りに行く。位ヶ原まで除雪されているが一般車通行禁止なので、観光センター前からバスに乗る。乗客はほぼスキーヤーにボーダー。行く先には真っ青な空の下、真っ白な乗鞍岳が私を誘っている。

120519乗鞍岳・位ヶ原山荘前 うねうねとした山道をゆられること40分。位ヶ原山荘に到着。途中のスキー場には雪がなかったが、ここは道路の両側にたっぷりの雪。山行計画書を提出し、シールを貼る人々を尻目に(バスに乗る前に貼ったもんね)きれいな雪面に足を踏み出す。

120519乗鞍岳・位ヶ原から出発

小屋に泊まったと思われる人のトレースが1本ある以外は、昨日降った新雪の滑らかできれいな斜面。帰りが楽しみだ〜!雲ひとつない天気で、サングラスをしても眼がしぱしぱするほどの強い日差し。風も弱い。暑い。すでに、尾瀬で味をしめた上半身下着一枚だ。

乗鞍には何回か来ているが、こんないい天気は初めて。なぜならいつも「天気が悪いから乗鞍行く?」(=冬型の気圧配置で北アは天気が悪いけど、乗鞍は境目だからなんとかなるかもしれないから、とりあえず乗鞍行く?)みたいなノリで来るので、予想通り天気が悪くて、吹雪の中を黙々と歩く、みたいになってしまう。


120519乗鞍岳・振り返ると人人人

振り返ると...やっぱりアイスクリームにたかる蟻んこ状態。


120519乗鞍岳・肩ノ小屋口

位ヶ原から一段上がると、大雪原となり乗鞍岳の面々(ピークが複数ある)が目の前に立ち並ぶ。山はたおやかで無木立の斜面が広がり、どこでも滑れそう。まさにスキーのための山か。


120519乗鞍岳・剣ヶ峰への登り

肩ノ小屋口から主稜線に上がる。ここから剣ヶ峰山頂までは一定の斜度の登りが続く。とは言え、一枚バーンに薄く積もった新雪にシールが良く効き、シャッ、シャッと気持ちよく登れる。


120519乗鞍岳・コロナ観測所

お隣の摩利支天岳には乗鞍観測所がある。白いドームにはかつては太陽コロナを観測するコロナグラフが設置されていた。現在ではコロナの観測は人工衛星にゆずり、大気観測などの広く自然科学の観測のために利用されている。そのドームの向こうには私の大好きな黒部の山々が並んでいる。


120519乗鞍岳・海老の尻尾の残骸

海老の尻尾の残骸。真冬には猛烈な風が吹きつけシュカブラが発達する。私は身をもって知っている...


120519乗鞍岳・ゲレンデのよう

ゲレンデのような、いやゲレンデをはるかに越える大斜面。おまけに槍穂から薬師に至る北アの大展望。


120519乗鞍岳・もうすぐ頂上

肩ノ小屋口から1時間くらい登ってきた。剣ヶ峰山頂はもうすぐそこ。


120519乗鞍岳・剣ヶ峰山頂

ついた!剣ヶ峰山頂。3026m、さすがに下着一枚は寒いので、上着を着る。ちょっと雲がでてきたけど、最高の眺め。


120519乗鞍岳・山頂の鳥居

いやはや、絶景だね。


120519乗鞍岳・黒ビールで乾杯 雪が詰ったビニール袋の中から、おもむろにキンキンに冷えた黒ビールを取り出す。残雪の北アに乾杯!

120519乗鞍岳・ドロップイン すっかり呑み休みすぎた。剣ヶ峰から肩ノ小屋口に滑るルートはざっくり3つ。剣ヶ峰直下のやや細い沢、剣ヶ峰と蚕玉岳の鞍部からほどほどの沢、朝日岳の広い斜面。今日はほどほどに蚕玉岳の鞍部からドロップイン。

120519乗鞍岳・振り返ると青い空白い雲

滑り出しは腐りかけた吹き溜りで足をとられたが、すぐにパックされた快適な斜面となる。歓声(奇声?)をあげながら緩いシュプールを描いて、かなりのスピードで滑り下りて行く。ドロップポイントがあっという間に遠くなる。


120519乗鞍岳・広い斜面

じゃまするもののない大きな斜面を思い思いに滑る。ドロップポイントから肩ノ小屋口まで標高差400mくらいある。


120519乗鞍岳・シュプール

白く滑らかだった雪面はすっかり食い荒らされた。この写真だけみればカナダかヨーロッパのゲレンデのようにも見える。中央の沢の左側のシュプールが我々の一団。かなりぎこちなく滑ってきたが、まあまあでしょう。


120519乗鞍岳・位ヶ原への最後の滑り

位ヶ原への最後の滑降。強烈な陽射しを浴びて雪はかなり重くなっている。でもスキーをとられるほどではないので問題なし。目の前の槍穂を眺めながらのんびりと滑る。お気楽スキーだ〜〜!と完全にナメくさって、スパッツもせずに雨具を着て、片手で動画を撮りながら滑っていた私は、最後の最後でこける。靴の中に、砂糖詰め放題のような感じでぎっしりと雪が詰る...。山をなめてはいけません。


120519乗鞍岳・バス停たくさん 位ヶ原山荘に戻ってきた。除雪を待つバス停たち。

120519乗鞍岳・位ヶ原から今日の振り返り

今日の復習。一番左のピークが剣ヶ峰。天気も雪のコンディションも景色も良く、楽しい一日だった。これだから山スキーはやめられない。もうゲレンデは滑れないよ。


120519乗鞍岳・手打ち蕎麦御池の乗鞍御膳

位ヶ原から観光センター前にバスで戻り、国民休暇村の温泉で汗を流す。そして、手打ち蕎麦・御池で腹ごしらえ。これは乗鞍御膳。もちろん蕎麦もうまいんだけど、サクサクの岩魚の唐揚げがたまらん。




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2012年05月27日

富士山、滑り納め〜富士山

5/26 河口湖口五合目〜吉田口〜八号五勺〜吉田口〜河口湖口五合目

バックカントリーは11月の立山に始まり、5月の富士山で終わる。と勝手に決めている。とは言え、富士山は天候に恵まれず、なかなか登れないのが現実だ。今回も週間予報ではずっと曇り。しかし、直前になって突然、晴れの予報に変わったので、ここぞとばかりに富士山に向かった。


120526富士山・河口湖口から富士山

朝7時。スバルラインの終点、河口湖口五合目。雪訓をのぞいて富士山に登るときにはいつも富士宮口だが、今回初めて吉田口登山道から登ることにした。富士宮口とちがって、みやげ屋やら食堂やらがずらりとならぶ観光地だ。阿里山に似ている。予報どおり富士山がきれいに見えている。期待が高まる。


120526富士山・登山口、ここから歩く 駐車場を横切り、土産屋の前を通ってこのスバルライン終点から登山開始。このあたりの標高はおよそ2300m、空気が冷たくさすがに先週みたいに上半身下着では歩けない。

120526富士山・五合目でも雪たっぷり

しばらくは佐藤小屋に続く林道にそって、山腹をトラバースする。五合目でもまだ雪が残る。


120526富士山・トンネルでスキーの先をする

トンネルの中にも雪が。腰をかがめて歩く。ちょっとでも体を起こすとスキーがガリガリと天井をこする。


120526富士山・立ち並ぶ山小屋

六合目でトラバースが終わり、山頂に向けて溶岩の砂礫の道をザクザクと登ってゆく。帰りに滑り降りる吉田大沢の雪渓の流れを確認する。それにしてもなんだこの小屋は。


120526富士山・2700mあたりからアイゼンをつけて歩く

七合目、標高2700m付近で夏道が雪に覆われる。アイゼンをつけて真っ直ぐ山頂を目指す。ザラザラした砂利道を歩くより、雪の上を歩くほうがずっと楽だ。


120526富士山・本八合目

標高3400m、本八合目。時々猛烈な風が吹き抜け、背負ったスキーがあおられる。そのたびにストックで頼りない耐風姿勢をとる。おまけに雪面はアイゼンを踏み込まないと刺さらないほど、硬くクラストしている。滑ったら楽に200mは滑落しそうだ。直射日光が当たっているのになかなか雪が緩まない。さすが北面は5月でも渋い。小屋の影で風を避け、30分ほど様子を見ることにする。


120526富士山・九合目を見上げる

相変らず風が強く雪が硬いが、だましだまし八合五勺、3500mまで上がってきた。これから先は風を避けるところはない。ピッケルを持っていればなんていうこともないが、今日は初めからルンルン春山を期待していたので、ピッケルは持っていない。

先行している人たちをじっと眺める。風をやり過ごすため四つん這いになって雪面に張り付いていたりして、動いているより止まっている時間のほうが長い。決めた、ここで戻ろう。行こうと思えば行けるが、なんか楽しくなさそうだ。修行っぽい。




アイゼンを雪面に蹴りこんで両膝をついて体を固定し、最高地点での動画を撮る。しかし、体が風にあおられ、風に揺れるススキ状態でポジションが決まらない。


120526富士山・あきらめてドロップイン

雪が柔らかいところを探し、スキーを履いてドロップイン。しかしガリガリ。フォールラインは何百メートルも下へさえぎるものもなく急傾斜で落ちている。おっかなくてうかつにターンできない。ほとんど斜滑降+横滑りで下りて行く。


120526富士山・吉田大沢へ向かう

3300mくらいから雪面がくさり始め、気持ちよく滑れるようになった。あまりに気持ちよかったので、須走口の方へ下り過ぎてしまった。またスキーを背負って100mハイクアップする...。そして夏道沿いに目的の吉田大沢へガリガリとトラバース。目の前に広がるカールのような巨大な沢が吉田大沢だ。


120526富士山・吉田大沢山頂方向

無事吉田大沢に入った。ここは日本か?と思うほどの雄大な景色。日本には私の想像を超える景色がまだまだたくさんあるようだ。なんかうれしい。


120526富士山・吉田大沢

沢の中は風が弱く、吹き溜まりになっていて柔らかい雪面を快適に滑ることができる。広い。どちらに下りよう、と確認しようとした、らどんどん雲が上がってきて完全にガスに視界を閉ざされてしまった。3000mより下では、あちこちに岩が頭を出している。ガスの中にうすぼんやり影のように見えるだけなので、うかつにスピードをだせない。快適な斜面をそろりそろりと進む。もったいない。


120526富士山・スキーを脱ぐ ガスが完全に視界を閉ざしてしまったので、右手の夏道のある尾根に沿って滑って行った。すると、思いがけないところで雪が切れ、行き止まりになってしまった。終了。2700mでスキーを脱ぐ。もっと左に行けばあと200m滑れたのに。

120526富士山・河口湖口のモンベル とぼとぼと来た道を戻る。朝は静かだった河口湖口はお祭りかと思うほどの喧騒に包まれていた。中国語を話している一番うるさい人に、中国語で「中国人ですか?」と聞いたら黙って首を振った。中国人だな。台湾人やシンガポール人ならむきになって否定するもん。
こんなところにモンベルが。忘れ物をしてもここで買えばいい?

120526富士山・河口湖の温泉「天水」 下山後は河口湖温泉「天水」で汗を流す。最近は近くに日帰り湯が増えたせいか、空いていてよろしい。

なんか中途半端だったが、これにて今シーズンの雪山は終了。



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