2010年05月18日

ラストスキー@針ノ木雪渓〜針ノ木岳(1)

5/16 扇沢〜針ノ木雪渓〜マヤクボ沢〜針ノ木岳〜針ノ木雪渓〜扇沢

100516扇沢針ノ木岳登山口

雪の季節はかくも短く、今日は針ノ木雪渓で今シーズン最後のスキー。


天気予報は今日一日の晴れを告げている。気温はかなり上がるらしいが、朝6時の空気冷たく肌寒い。扇沢の駐車場から行く手に、青空をバックに雪をかぶった白い稜線が見える。気分が盛り上がる。ザックにスキーをくくりつけて出発。


100516針ノ木雪渓大沢小屋に到着

大沢小屋の手前で最後の堰堤を越える。夏道は小屋まで雪渓の左岸を大きくまわり込むようについているが、この時期は右岸を雪渓に沿って真っ直ぐ小屋に向かう。なので扇沢から小屋まで1時間しかかからない。


雪渓は首をもたげるかのように立ち上がって稜線に続く。この真正面が目指すマヤクボ沢のカールだ。えらい急だな、おまけに遠いな...


100516針ノ木雪渓シールで登る

雪面の木の枝や砂が少なくなってきたので、シールをつけてスキーで登り始める。スキーをはずしザックが軽くなったので足取りも軽い。しかし、日差しが当たり始め、歩いていると暑くなる。でも雪渓を吹き抜ける風は冷たい。上着を着たらいいのか、脱いだらいいのか...


100516針ノ木雪渓から爺ヶ岳を振り返る

はじめはなだらかだったが、だんだん傾斜が急になる。2、3日前に雪が降ったようで、雪面には薄く雪が積もっているが、その下はカチカチの氷。油断するとシールが負けてずり下がる。かかとに気合を入れながら、一歩一歩登ってゆく。ポツリポツリと登山者がいるが、あちこちでずりずりと滑って転んでいる。


一息ついて登ってきたルートを振り返る。大沢小屋を見下ろし、その後には大きな爺ヶ岳。そして耳を澄ませば、うぐいすのさえずりが聞こえる。


100516針ノ木雪渓デブリ

雪渓に流れ込むいくつもの沢からは、生々しいデブリ(雪崩の跡)が流れ込んでいる。こんなのにやられたらかなわんな〜、と見ていると、「ラーク」、の叫びとともに反対の岸から落石が。雪の上にはいくつもの小石、いや大石も落ちている。さすが落石の名所だ。


100516針ノ木雪渓マヤクボ沢分岐

2050mを越えるあたりで雰囲気が一変し、沢が開けた解放感あふれる場所になる。傾斜が緩んだので、ザックを置いて一休みする。とは言っても、うかつにスキーを脱げば滑っていってしまうくらいの傾斜はある。


正面を登れば針ノ木峠、右に入ればマヤクボ沢から針ノ木岳に至る。


100516針ノ木峠

マヤクボ沢出合いから見た針ノ木峠。夏に来るとこの峠までの詰めは、圧迫感のある狭い谷だ。しかし、今は雪に埋もれて、別の場所とも思えるほど明るい谷になっている。


100516針ノ木雪渓からマヤクボ沢

我々は出合から右に折れて、マヤクボ沢に入る。マヤクボ沢上部はこれまで以上に傾斜がある。雪がカチカチなので、念のためスキーを脱いでアイゼンで登ることにした。あ〜、またザックが重くなった。


100516マヤクボ沢の急登

マヤクボ沢は朝から強い日差しに照らされているため、予想に反して雪はグサグサだった。ズボズボ雪にもぐりながら急な沢を登る。しんどい。暑い。途中で我慢できなくなり、急登の途中でザックを降ろしてスキーを履いた。


100516針ノ木稜線

結局シールで稜線に出た。目の前に針ノ木岳直下の雪壁がある。頂上に行くにはあれを登らなければいけない。帰りはここから滑り出すことにしてスキーをデポし、またアイゼンを履いて歩き始める。


100516針ノ木岳手前の雪壁 いや〜、これはかなり急だ。凍っていたらロープで確保したいくらいだ。

100516針ノ木岳山頂到着

頂上に到達。スキーをデポしたところからすぐ、10分くらいだった。目の前には岩と雪渓の剱岳。いいね〜。


(次回に続く)





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2010年05月23日

春の雪は重かった〜針ノ木岳(2)

5/16 扇沢〜針ノ木雪渓〜マヤクボ沢〜針ノ木岳〜針ノ木雪渓〜扇沢

前回の続き)

100516針ノ木岳山頂からの展望
(クリックで拡大)

山頂からのパノラマ。左端の山頂が蓮華岳で、右端が爺ヶ岳。文字通り360°の展望。


100516針ノ木から槍穂高

一瞬黒部ダムかと思ったが、方向がぜんぜん違う。高瀬ダムだった。とすると、右側の尾根が北鎌尾根だ。その奥に槍、穂高が頭を出している。


100516山頂から下山

山頂からの展望を十分楽しんだので、スキーをデポしたところまでもどる。この雪の残り具合と暑いくらいの天気が、ヤマケイ風に言えば「エンジョイ残雪の春山!」とでもいう感じだ。


100516雪壁を下る

登ってきたら下らねばならぬ。頂上直下の雪壁を下りる。直前を歩いていた他パーティーの女性は、正面をむいて下り始めたが、1mくらいのところでしりもちをついて、そのままザーッと下まで落ちていった。尻セードとのことだが、私には滑落にしか見えなかった...

我々は念のため後ろ向きに、そろりそろりと下る。


100516春山で休憩の図 スキーまで戻って、残雪の北アを眺めながらのんびりと小休止。ヤマケイの表紙的雰囲気の一コマ。

100516マヤクボ沢ドロップイン

時は1時をまわった。十分休んだし、谷底の雪も十分緩んだだろう。尾根の淵に立ってマヤクボ沢を眺める。出だしは急で下がよく見えないが、登ってきたところなので問題はない。その先は針ノ木雪渓の末端までずっと見えている。


さて、心待ちにした時がやってきた。爺ヶ岳に向かってドロップイン!


100516マヤクボ沢大トラバース

むう...勢いよく滑り出したが雪がめちゃくちゃ重い、重すぎる。気温がかなり高いので、朝、カチカチに凍っていた氷の層までぐしゃぐしゃになっている。足をとられないように、ジャンプ気味にターンしてみると、スキーでおされた雪が、一抱えもあるボールになって転がり落ちゆく。下には登ってくる人がいるから、これはいかんな...


気が付けば、私より先に滑り始めたメンバーが、なぜか広い沢のはるか端っこまでトラバースしている。どうしたことだ?

あとで聞いてみたら、雪が重すぎてターンできなかったとのこと。


100516シュプールだらけのマヤクボ沢

朝は2、3のシュプールしかなかった雪面は、もう落書きだらけ。


100516スバリ岳

登ってきたルートは、ところどころ岩が頭を出しているので、スバリ岳側の沢筋にトラバースする。ちょっとカナダっぽい日本離れした景色。これで雪が良かったらな〜。


100516荒れる雪面

2時間かかって登ったマヤクボ沢を、休み休みながらも20分ほどで滑り降りて針ノ木雪渓に入る。そして、朝は凍っていて、みんなこけていた雪渓もぐしゃぐしゃ。行きにはなかった雪の塊や岩が、そここに落ちている...


デブリでボコボコになった雪面をモーグルのように膝で吸収しながら、ショートターンで滑る。予想外になかなか楽しい。そして、一番滑りにくいのは、デブリでも露岩でもなく、つぼ足登山者の深い足跡の列だ。


100516針ノ木雪渓を振り返る

急傾斜も終わり大沢小屋も近い。足を止めて山を振り返る。ついさっきまで滑っていたマヤクボ沢が高く遠くに見える。いや〜、雪は悪かったけどそれなりに楽しかった。天気も良かったし、景色も良かった。スキー・シーズン最後にふさわしい山行だった。


100516最後の滑り 大沢小屋から先は、右岸に沿ってスキーのトレースが一直線に続いている。傾斜はそれほどないが、固く踏み固められて、思いのほかスピードがでる。細いトレースをジェットコースターのようにすっ飛んで行く。

100516扇沢駐車場 雪の割れ目に頭を出したフキノトウを摘み摘み、扇沢の駐車場に戻ってきた。朝は登山者しかいなかった駐車場が、観光バスでいっぱいだ。下界に戻ってきた。
ここで思わずコーラを買う。どうも、先々週の五竜岳からコーラ中毒になってしまったようだ。

100516大町温泉薬師の湯 今日も暑くてたっぷり汗をかいた。大町温泉薬師の湯で汗を流す。べつにどうという温泉でもないが、帰り道のわきにあるので、扇沢からの帰りはいつもここだ。



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2011年04月18日

余震を避けて山スキー〜守門岳(1)

4/17 二分〜大平〜長峰〜大岳〜二分

110417守門岳二分登山口 山に行きたい、でも地震は怖い。気象庁の震源情報をにらみ、余震の震源に近くなく、かつ雪崩にくい山を探す。そして上越、守門岳へ。
入広瀬の道の駅でひと眠りし、二分の登山口についたのは6時半。除雪の終了点には既に車がびっちり停まっている。みんな自粛は解除したようだ。

110417守門岳・登山口から林道を歩く

大平の牧場まで雪に埋もれた車道を行く。天気予報は晴れ、寒気が入り気温が下がる...と言っていたが、実際は暖かく、空はどんよりとした雲に覆われ、守門岳の稜線は見ることができない。

110417守門岳・夏道に沿って登る 地図上の616mの尾根の末端に取り付くが、すぐに夏道突き当たりしばらく沢沿いにつけられた夏道に沿って歩く。シールがジャリ、ジャリと音を立てる。だんだん暑くなってきた。冬山用のウエアをやめてゴア雨にして正解だった。

110417守門岳・長峰

夏道から右に大きな沢をわけるところで、左手の尾根にのる。そのまま尾根沿いに進むとだんだん視界が開けてきて長峰に到着。相変らず主稜線は雲の中。

110417守門岳・保久礼小屋 長峰から細い水平な尾根を歩き、そしてシールをつけたまま鞍部に向けてちょっと下る(帰りは登りだ〜)。下りきった所に物置みたいな保久礼小屋があった。

110417守門岳・稜線の雪われ

雪は多いがさすがに春の山。あちらこちらで雪割れし裂け目が口を開けている。うっかり踏んだらドサッと雪の塊が落ちてしまいそうだ。

110417守門岳・キビタキ小屋

保久礼小屋からやや急なブナの森の斜面を登っていくと、キビタキ小屋が雪面から三角形の頭をちょこんと出していた。

110417守門岳・森林限界を超える

キビタキ小屋の先で突然、景色が変わる。気がつけば白銀の広大な雪のドームの麓にいた。ある線から木がなくなった。不思議。おまけに雲も切れ、紺の空が広がる。
風は弱いが冷たい。帽子をかぶりゴアアマの上着を羽織る。シャー、シャーと硬い雪面にシールが吸い付くように気持ちよくきまる。

110417守門岳・霧氷

ほとんど木のない真っ白な斜面だが、ところどころに霧氷に覆われた木が立ち、逆光にキラメイテいる。

110417守門岳・霧氷のアップ

霧氷のアップ。小エビのしっぽ。

110417守門岳・大岳

大岳が近づいてくる...ようだがこんもりした雪のドームは距離感わかない。でもそこに向けて、人が蟻のように黒い点々になって見えるから、まだちょっとあるかな。右手には雪庇をまとった守門岳の本峰が見えてきた。

110417守門岳・矢筈岳

そして左手稜線の向こうに、道なき忘れられた山々、私の憧れの山、河内山塊の山が見えてきた。あれは矢筈岳だろうか。

110417守門岳・大岳山頂 雪庇と頂上の境目が分からんな〜、どこが大岳の頂上だ〜!と思って歩いていたら、人がたまっていた。たぶんあそこだ。

次回に続く)


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2011年04月21日

大斜面を滑降〜守門岳(2)

4/17 二分〜大平〜長峰〜大岳〜二分

前回の続き)

110417守門岳・大岳山頂から守門岳

無風快晴の大岳頂上。汗ばみ上着を脱ぐ。雪庇の張り出した尾根が南へ続く。一番高い山が守門岳だ。


110417守門岳・犬の散歩

あまりの陽気の良さに、犬の散歩をしている人がいる。


110417守門岳・本峰へ

我々も犬の後について守門岳を目指して出発。眼前には越後三山から平ヶ岳と新潟から会津の山々のパノラマが広がる。


110417守門岳・守門岳が近づく

行く手に守門岳がそびえる。と、すぐに雪が切れヤブが出てきた。地べたまで見えている。予想外に雪が少なく、スキーでは先に進めない...終了。守門岳への縦走をあきらめ、大岳に戻る。


110417守門岳・滑降開始

大岳山頂でシールをはずし、ドロップイン!邪魔するものが全くない大斜面に思い思いに滑りこむ。硬かった雪面もちょうどいいザラメにかわっている。さいこ〜!


110417守門岳・樹林も快調

あっという間に樹林帯に突入。とどまることなく木々を縫うようにぐんぐん滑り降りてゆく。下りは早いな〜。


110417守門岳・橋を渡って終了

橋を渡れば本日は終了。最後に楽をしようとして沢沿いに下りまっ平らな牧場でハマッタが、それでも3時間半で登ったところを1時間半かからずに降りてきた。あっという間だった。


110417守門温泉 国道252ぶつかる手前にある守門温泉でひとっ風呂。淡い黄色のナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉。弱アルカリ性で浸かっていると徐々に微妙に肌がすべすべしてくる。

110417小出から越後三山

温泉でさんざんゆっくりした後、小出に向けて車を走らせる。どっしりとした雪山が街を見下ろしている。いい山だなぁ、越後三山は。ここから見る越後駒は麓から立ち上がり、大きく見える。




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2011年11月28日

初滑り!でも吹雪...〜立山・室堂(1)

11/25 扇沢〜室堂

ついに来た!立山スキーのシーズンが来た!


しかし。今年は勤労感謝の日が水曜日で日取りが悪い、しかも、いつまでたっても室堂から本格的な雪の便りが聞こえてこない。近年まれに見る悪条件。だが木曜、金曜日の天気予報は、強力な寒気で日本全国大荒れ。とりあえず金曜日に有休をとってアルペンルートに向かう。


111125立山スキー・吹雪の扇沢

扇沢の朝。天気予報どおり吹雪。例年なら平日でも駐車場はいっぱいだが、今日はガラガラ。そして、8:30の始発のトロリーバスに乗って、まるで競争のように我先にと室堂に向かう。でも、今日は人がほとんどいない。のんびりと9:00のバスに乗った。例年なら5台くらいのバス+荷物トラックが走るが、今日はバスが2台だけ。おまけに私が乗った1号車は中国語を話す人しか乗っていない。


111125立山スキー・黒部ダムの除雪

雪が降りしきる黒部ダムは除雪中。いつもならケーブルカーに乗車する列に並ぶために、ここを小走りに歩く。でも今日は必要はない。ダムの上には10人くらいしか歩いていない。


111125立山スキー・ガラガラのケーブルカー乗り場 ほら、やっぱり。ケーブルカー乗り場には誰もいない。
室堂のライブカメラの映像を見る。真っ白で何も映っていない。いや、正確に言えば吹雪の景色が映っている。今日は滑れないな...

111125立山スキー・今年の営業は終了 温かいコーヒーでも飲もう...自動販売機が営業を終了している...。売店の冷蔵庫で買えって?それって冷たいじゃん!
アルペンルートもあと5日でクローズし、4月まで眠りにつく。ムーミン谷みたい。

111125立山スキー・黒部平は何も見えない ケーブルカーを下りたところは黒部平駅。さらにロープウエイで大観峰に向かう。室堂が近くなればなるほど景色が白くなる。

111125立山スキー・室堂、レストラン立山 11時に室堂到着。いつもなら、すぐに雷鳥平に行ってテントを張って一本滑りに行く。でも10m先も見えない吹雪ではその気も起こらない。初めて室堂ターミナルでのんびりしてみる。レストラン立山に入り、濃厚なビーフカレーを食す。贅沢だ〜。

111125立山スキー・みくりが池展望台のサイト 今年は異例なことづくめ。雷鳥平のサイト場はし尿による汚染がひどいため、今年は試験的にみくりが池展望台の石碑の周りもサイト場に指定されている。ターミナルから5分もかからない。
膝までもぐる雪と格闘しながらテントを張る。風上に顔を向けられないほど西風が吹きつけ、テントが潰れそうになる。防風ブロックを積もうとするが、雪がサラサラで難渋。

111125立山スキー・ビーコン訓練 テントに入って、吹き荒れる吹雪から逃れひと安心。ビールで乾杯。
もうこのまま宴会に突入したい。でも、バックカントリー初参加の新人がいるので、しかたなく重い腰を上げ、吹雪の中、とりあえずビーコン訓練(だけ)をやる。

111125立山スキー・鶏つみれ鍋 4時にはテントに戻り、天気図をとり冬型を確認。しかし、既に次の高気圧が張り出してきている。明日は最高の天気だろう。
さて、待ちに待った宴会だ。鶏のつみれ鍋を作って、ボルドーを開ける。

次回に続く)


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