2日目 三つ峠登山口〜屏風岩〜三ツ峠山山頂〜三つ峠登山口
朝起きたときには霧雨が降っていたが、登るにつれて雨もやみ明るくなってきた。
登山道のわきには高山植物保護のための立ち入り禁止のロープが張ってある。たしかに花が多い。天気が良くなってきて浮かれているのか、みんなで花を指差して、「これは白山知らない草だ」とか「とても行けなさ草だ」とか適当なことを言って妙なテンションではしゃいでいる。

雨がやんで岩も乾いて来たので予定通り屏風岩に取り付く。ややガスっているが時々日差しもさしてきた。ブヨも元気に飛びまわっている...
屏風岩は取り付きから山頂まで約160mで4P。おっきい岩だな。
1P・・・「一般ルート」
天気がはっきりしないせいか人が少ない。順番待ちもなく、一般ルートの比較的易しいところを登ってゆく。ホールドも豊富でルンルン登って行ける。
登りきったところからバンドをつたって「サンドイッチ」に向かう。登りよりこのバンドのトラバリのほうが高度感があって緊張する。ガスが晴れて足元のした〜に広がる森が見えてきた。

2P・・・「サンドイッチ」
3P・・・そのまま直登
サンドイッチ?なんじゃこりゃ。体を横にしてかろうじて通れるくらいの岩の割れ目、つまり自分がサンドイッチの具になるのがサンドイッチ・クラックだ。
ザックをおろして、ザックをシュリンゲでハーネスにつないで引っ張り上げながら這いずり上がろうとしたが、ザックが引っかかって進めない。仕方がないので左手でザックを持って、右手でホールドを探りながら突破した。技術ではなく力技だ。
クラックをぬけ、そのままピッチを延ばして「No.20クラック」に向かう。

4P・・・「No.20クラック」
クラックの確保点の手前は石と木々の緑の組み合わせが日本庭園のようで美しい。一休みしたいところだが時間がないので先を急ぐ。
核心のNo.20クラック自体は確保点から見えない。ただ、上のほうで「どうやって登るんだ〜」とか「これが3か!」という声が聞えてくる。ランニングビレイを取る支点も少なく、トップはちょっと緊張しているようだ。
いざ私の番になり不安な気持ちで取り付く。始めは大きな岩のっかり、やさしいクラックを登る。順調順調。
終了点がもうすぐというところにクラックがあった。びみょーに広くて手を突っ込んでも足を突っ込んでもうまくきまらない。玉砂利の入ったコンクリートのような岩でホールドも細かい。確かに3にしては難しいと思う。クラックの奥に階段でも隠されているのか?
しかし私は上からしっかり確保されている(おしゃべりをしているようだが...)ので、思い切ってクラックに肩まで突っ込んで、細かいスタンスにつま先でのって、最後はチョックストーンをわしづかみにして突破することができた。
登りきった所にある天狗の踊り場で行動食を食べたあと、山頂経由で登山口に下りた。
途中で雨が降り出したらどうしようかと思ったが、天気はなんとかもってくれた。おかげで充実した一日を過ごすことができた。