2011年02月09日

雲間のラス・トレス・デ・パイネ〜南米・パタゴニアの旅(14)

1/4 ホテル・ラス・トーレス〜アマルガ湖〜プエルト・ナタレス

前回の続き)

110104パイネ国立公園・夜明けのトレス・デ・パイネ

トレス(Torres)の展望台に行こうと朝4時に起きたら雨だった。また寝る。6時に再び目覚めると、雨は小降りになっていて雲間にラス・トレス(Las Torres)が見えていた。しかし、今から往復するのは時間が厳しいので、展望台はあきらめる。


ラス・トレス="Las Torres"とはスペイン語で「複数の塔」を意味する。まさに塔のような岩峰が約3本直立している。一番高いTorre Sur(南の塔)が標高2850mで麓からの標高差が2000m近くあり、どんだけ垂直なんだ!と驚く。これを縦走した人がいるからさらに驚きだ。まさにパイネのシンボルだ。


110104パイネ国立公園・トレスのキャンプ場を発つ

ゴロゴロしたり、お茶を沸かしたりして時間をつぶし、正午前にキャンプ場を発って公園入り口のバス停に向かう。もちろん公園入り口までバスはあるのだが、せっかくなので2時間ほど歩いて行くことにする。今日は風が強く、ゴゴゴゴゴーンと唸りを伴った、思わず耐風姿勢をとりたくなるような風が吹いている。おまけににわか雨がパラパラ降っていて、雨具をバタバタさせながら歩いてゆく。

キャンプ場を振り返る。パイネの山々はガスの中だ。ちなみに写真中央の可愛らしい小屋はトイレ。


110104パイネ国立公園・アマルガ湖へ向かう

出発して30分もすると幸いなことに雲が切れ、日がさし、風も弱くなった。暑くなってきて雨具を脱ぎ、Tシャツになる。だだっ広い原っぱを突っ切る砂利道をのんびりと歩く。


110104パイネ国立公園・小さな花1

まさに花盛り。なぜか黄色い花が多い。


110104パイネ国立公園・パイネをバックにした花畑

広いお花畑。たぶん。でももしかしたら牧場かもしれない。


110104パイネ国立公園・ホステリア・ラス・トレスに向かうバックパッカー

すれ違うバックパッカーたちと挨拶を交わす。突然、ロビンソン・クルーソーみたいな毛むくじゃらの巨大な外人男が近づいてきた。スペイン語で何か話しかけている。"No hablo espanol"(スペイン語話せませ〜ん)とスペイン語で答えると、英語で話しかけてきた。「英語ハナセッマセ〜ン」と答えたいところだが、ちゃんと聞いてみると、トレスのキャンプ場はどこだと聞いている。う〜ん、トレスのキャンプ場はまだまだ先(4時間くらい)だぞ。この人たちは大丈夫だろうか...


次回に続く)





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2011年02月10日

岩と花とグアナコと〜南米・パタゴニアの旅(15)

1/4 ホテル・ラス・トーレス〜アマルガ湖〜プエルト・ナタレス

前回の続き)

110104パイネ国立公園・だだっぴろい2

ホテル・ラス・トーレスから公園入り口に続く道は、ずっと花咲く原野(牧場かも...)の真ん中を突っ切ってゆく。ただただだだっ広い。雲ノ平や大雪など比べ物にならない。


110104パイネ国立公園・小さい花2

岩の上もこんな小さな花?で覆われている。あたりまえだけど、日本と植生がぜんぜん違う。


110104パイネ国立公園・だだっぴろい1

ただただだだっ広い。あの遠くに見える山の向こうには何があるのだろう...花畑が続いているのか、それとも青く輝く氷河だろうか...


110104パイネ国立公園・公園入り口を眺める丘で休憩

ときどき休みながら、写真を撮りながらのんびり歩いてきて、1時間半ほどでバス停の見える丘の上にやってきた。広大な風景の中、腰を下ろしてりんごをかじる。


110104パイネ国立公園・川に沈んだ花

バス停が近くなって川沿いを歩く。川が大増水していてお花畑が水没している。ここ数日、アルゼンチンはまれに見る暑さだそうで、氷河がいつもに増して融けだしているのだろう。それにしても、空と山と水がきれいだ。朝の強風もおさまって時が穏やかに流れている。


110104パイネ国立公園・グアナコの群れ

バス停で待っていたのは、バスでも人でもなく、グアナコの群れだった。人に臆することなくバスを待つ人々の間でじゃれあっていた。


110104プエルトナタレス・リリパタゴニコス来たときと同じJB社のバスでプエルト・ナタレスに戻る。今夜の宿はナタレス初日と同じリリ・パタゴニコスだ。シャワーを浴びてさっぱり。

110104プエルトナタレス・ペヘレイのフリット夕食はまたMARITIOMOだ。うまいんだなここは。ピスコサワーを食前酒に、前菜に魚貝のクリームスープ、メインにペヘレイ(白身魚)のフリット、そして白ワインを頼んだ。食べたかったアナゴはまた売り切れだったが、とりあえず満足。
明日の朝は早い。最終目的地に向かうバスに乗りそこなうわけにはいかない。荷物をすべてパッキングし、早々に寝る。

次回に続く)



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2011年02月12日

マゼラン海峡でご対面〜南米・パタゴニアの旅(16)

1/5 プエルト・ナタレス〜マゼラン海峡(Estrecho de Magallanes)〜ウスアイア(Ushuaia)

前回の続き)

110105プエルトナタレス・旅立ちの朝

寝坊することなく朝6時に目が覚め(よかった...)、宿のスタッフにお世話になった礼を言ってチェックアウトする。風は冷たく強い。空には強風にあおられた怪しい雲があるが、天気は晴れのようだ。今日はこの旅の最終目的地、ウスアイアに向けて12時間のバスの旅だ。


110105プエルトナタレス・プンタナアレナス行きのバス プンタナ・アレナス行きのバスはBus Surのオフィスの前から出発する。現在、ウスアイア行きの直行バスはなく、アイケン(Aiken)で乗り換えなければいけない。

以前のバスもそうだったが、沢山の人が見送りに来ていて、旅立つ人と抱き合って別れの挨拶をしている。様々な目的の満員の乗客を乗せ、バスは定刻7時に動き出した。

110105プエルトナタレスからアイケンヘ向かう車窓から

バスが動き出すと、乗務員のおじさんがひとりひとりのチケットを見て、下りる場所を確認する。これで安心、乗り換え損ねることはなさそうだ。


窓の外を眺めると...また牧場。延々と牧場が続く。


アクシデント発生。荒野のど真ん中のアイケンのバス停に到着して荷物を降ろすが、電話で話をしていた乗務員が突然電話を切って、また乗客をバスに追い立てる。言われるがままにバスに乗っているとプンタナ・アレナスまで来てしまった...ウスアイアに行きたいんだけど...どうなってるの?


110105プンタナアレナス・タクシーのデモ プンタナ・アレナスでは道路にびっしり車が詰って止まっている。...どうもタクシーのガソリン値上げ反対のデモで道路が封鎖されているらしい。乗り換えるウスアイア行きのバスはバリケードの向こう。荷物を持って乗務員に先導されてバリケードを越える。我々の周りには新聞記者らしき方々が集まってきて、とぼとぼ歩く我々の写真を撮っている。

110105マゼラン海峡へ向かうバスから蜃気楼を見る

タクシーに囲まれたバスの中で2時間待ち、やっと出発。およそ3時間ほど遅れている。今日中につくんだろうか...


プンタナ・アレナスの街を出ると、また平らな牧場、牧場、牧場...の景色。これがパタゴニアか。外は身を切るような冷たい風が吹いているが、日差しは強烈でカーテンを閉めないとバスの中は暑い。そんな天気のとき、平原のお約束は、、、窓の外をじっと眺める。あった、蜃気楼だ!草原の向こうに幻の海に浮く島々が見える。


110105mazeran1.jpg

突然道路が海に向かってちょん切れた。バスが止まる。上着を着込み、皆ぞろぞろバスを下りる。海と荒野の境界線に事務所とホステリアが一軒ずつ、そして灯台が一つ。

マゼラン海峡だ。


110105マゼラン海峡の灯台

青い空、緑の海、白い雲。冷たく強い風。いかにも南米大陸の端っこにふさわしいシチュエーション。


1520年にマゼランが、この海峡を通って人類初めて大西洋から太平洋に抜けた。もちろん地図もなければ、この海峡の先に太平洋がある保証もない。そんな状況で強風と速い潮流の海峡を進んで行ったのだ。おまけに、太平洋にぬける航路はフィヨルドの海で、迷路のように入り組んでいる。恐るべき未知への探究心、本当の冒険。


110105マゼラン海峡のムラサキ貝

浜にはムール貝の殻がいっぱい打ち上げられていた。今晩はシーフードにしようかな。無事に着けば。


110105マゼラン海峡・フェリーから下りる羊を乗せたトラック

対岸からフェリーがやってきて、次々と車が下りてくる。モコモコした羊満載のトラックが目の前を走り抜けてゆく。この先も牧場、牧場、牧場か...


110105マゼラン海峡・フェリーに乗り込む

すべての車が下り、今度は我々が乗り込む。別にバスに乗っていてもいいのだが、皆、冷たい風のなか、ぞろぞろと歩いてフェリーに乗り込む。


このフェリーの行きつく先、対岸はスペイン語で「火の島」(Isla de fuego)を意味するフエゴ島だ。島のあちこちにちらちらと燃える火を不審に思ったマゼランが、「火の大地」と呼んだことに由来する。その火はこの島に住む先住民の焚き火で、彼らは冬でも毛皮を一枚をまとうだけで、凍る海に裸で跳び込んで漁をしていたと言う。しかし、ヨーロッパ人は彼らを絶滅させてしまった。


110105マゼラン海峡・フェリーに乗るウスアイアいきバス ウスアイア行きのバスも乗り込み、さあ、出発。

110105マゼラン海峡・何かが現われた?

フェリーの先端部のデッキに立ち海を眺める。冷たい風がゴウゴウと音を立てている。思わずフードをかぶる。しかし、思いのほか海は穏やかだ。

なにやらフェリーの後の乗客が騒がしい、海を指差して騒いでいる。う〜ん、なんだあれは?


参考

ウスアイア(Ushuaia)へのバス
ウスアイアへの直通バスはない。途中、アイケン(Aiken)で乗り換える。アイケンでは確実に乗り換えられるように連絡してくれるらしい。
プエルト・ナタレス〜アイケン
Bus Sur社、C5000$、7:00プエルト・ナタレス発-8:30アイケン着
アイケン〜ウスアイア
Buses Barria社、C30000$、8:30アイケン発-19:00ウスアイア着(ウスアイア着の時間は目安)
Bus Sur社Webサイト(http://www.bus-sur.cl/opensite/)

次回に続く)



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2011年02月13日

世界の果て、ウスアイアへ〜南米・パタゴニアの旅(17)

1/5 プエルト・ナタレス〜マゼラン海峡(Estrecho de Magallanes)〜ウスアイア(Ushuaia)

前回の続き)

110105マゼラン海峡・イロワケイルカのジャンプ

あっ、跳んだ!おじさん、手がじゃま!


ボーリングのピンを大きくしたようなものが、海面をジャンプした。何匹もフェリーのそばにやってきて、すごいスピードでヒュンヒュンとフェリーの下に潜ったり、フェリーを追い越してジャンプしたり、まるでフェリーと遊んでいるかのようだ。

たくさん群れているが、あまりの速さにカメラのフォーカスが追いつかず、レリーズラグでシャッターのタイミングが合わない。適当にカメラを向けて、パチパチとやみくもにシャッターを切り続ける。


110105マゼラン海峡のイロワケイルカ フェリーのまわりを跳ね回る彼らは、「イロワケイルカ」。主にマゼラン海峡の周辺に生息する小型のイルカだ。

110105マゼラン海峡・対岸のフエゴ島 対岸のフエゴ島が近づき、イルカ達はどこかへ帰っていった。フエゴ島はまっ平らで、どこにフェリーの船着場があるのか分からないくらいなにもなかった。
フエゴ島に上陸したのは午後2時。これから九州ほどの大きさのあるこの島を縦断し、南端のウスアイアに向かう。いったいいつ着くんだろう...

110105フエゴ島もずっと牧場

思ったとおり、フエゴ島も牧場。九州くらいの島がずっと牧場。ただ、ところどころに潅木の茂みがあるので、かつては木が茂っていたに違いない。広大な自然破壊。牧場のなか、真っ直ぐに続く砂利道をバスは猛スピードでとばす。


景色が変わらず、やることがないのでウォークマンのスイッチを入れる。宇多田光が「人はなぜ歌うの〜」と歌っている。なぜなら、それは人は誰にでも、いつかは歌えなくなる時がやってくるからだ。それまで思い思いに歌うんだ。


110105フエゴ島・サンセバスチャンで休憩

チリ・アルゼンチン国境が近づいた頃、荒野のど真ん中にポツリと建つホステリアで休憩。体が傾くほどの風が音を立てて吹き荒れている。

すでに4時半だが、バスが3時間ほど遅れていることを考えると、ここで昼食をとるための休憩だ。でもあいにく、チリペソをほとんど使い切っている私は何も買えず、強風が吹き荒れる中をうろうろしながら写真を撮る。


110105フエゴ島・サンセバスチャンのドライブインのルピナス

建物の裏手に大きなルピナスが咲いていた。牧場にルピナスが咲いているのを良く見る。チリの人はルピナスが好きなのかな。それともこれは雑草?


110105フエゴ島・チリ、アルゼンチン国境イミグレーションホステリアからすぐにチリのイミグレーション到着。ここで全員降りてぞろぞろと並んで、パスポートのチェックを受ける。終わったと思って、バスに乗り込むとすぐに税関で荷物のチェック。荷物を持ってぞろぞろ並ぶ。そして今度はアルゼンチンのイミグレと税関...ここは乗客はバスに乗ったまま、乗務員がパスポートを集めて手続きするが、30分以上待つ。時間が...

110105フエゴ島・トルインの夕暮れ1

アルゼンチンに入国すると舗装道路に変わり、バスはスピードをあげウスアイアに向かって突き進む。やがて牧場が終わり、雪を抱いた山脈が近づいてくる。トルレインに向けてのアンデス越えだ。ああ、すでに到着予定時刻の7時を過ぎ、陽は傾いて夜の闇が降り始めている。


110105フエゴ島・トルインの夕暮れ2

足元に夕暮れの空を映す氷河湖を望み、急峻な山肌のガゲ際のヘアピンカーブをバスは行く。懸垂氷河を持つ山々が赤く染まる、カールの底に広がる広大な湿原に夕日がきらめく、次々と目の前に絶景が現われる。ぜひともトレッキングしたいところだが、それよりもなによりも、早くウスアイアについて欲しい。予約した宿に遅れるとの連絡を入れていないので、部屋を残しておいてくれているかも心配だ。


110105フエゴ島・ウスアイア到着

アンデス越えの道が下り坂になりほどなくして、商店や整備工場などのたちならぶ港町に入っていった。ウスアイアだ。バスが港のそばのターミナルで停車したそのとき、ホッとした乗客から拍手が起きる。

10時55分。着いた。12/27にブエノスアイレスを発って、バスに揺られること3250km、世界の果て、世界最南端の都市ウスアイアについてやって来た。海岸に沿ってならぶ街灯の光が美しかった。


地図を見ながら不安な思いで、予約した宿に向かう。坂の多い街路をたどり、目的のこじんまりしたB&Bを見つけて、ドアに手をかけた瞬間に中から扉が開いて、笑みを浮かべた女性が招き入れてくれた。私の到着をずっと待っていてくれたらしい。ああ、ここですべての緊張がとけた。


110105フエゴ島・ウスアイアのカフェ、タンテ・サラ なにはともあれ夕食を食べに出る。この時間はレストランは閉まっているが、カフェは午前2時くらいまでやっている。アルゼンチンではカフェは朝から深夜までやっているので、何かと便利だ。地球の歩き方に載っている"Tante Sara"を見つけて入る。しゃれたカフェでステーキを頼む。ステーキもかなりしゃれていた(=量の割には高い)。

110105フエゴ島・夜更けのウスアイア

ステーキの付け合せのポテトでお腹いっぱいになり、ワインもまわってきて、いい気分で宿に戻る。宿は坂の上にあり、南のウスアイア湾の眺めがいい。海の向こうにはまた山並みが見え、その背後の空は12時半を過ぎているというのに、ほのかに赤い残照に染まっている。そして視線を上げると逆さになった南十字星があった。今まで何度も南十字星を見てるが、逆さは初めてだ。ウスアイアは南緯55度。ここまで来ると南十字星は沈むことなく天の南極のまわりをまわり続ける。


次回に続く)



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2011年02月16日

かっ、涸沢?マルティアル氷河〜〜南米・パタゴニアの旅(18)

1/6 ウスアイア滞在(マルティアル氷河、ビーグル水道クルーズ)

前回の続き)

昨日は夜遅くに夕食をとって、寝たのも1時過ぎだったが、暖房の入った暖かい部屋でぐっすりと眠ることができた。

9時少し前に食堂で、コロンビア人とドイツ人のご夫婦にコロンビアの話(高山から砂漠、ジャングルもあって興味深い)などを聞きながら朝食。食べ終わってすぐに街にでる。


110106ウスアイアの朝

晴れているか曇っているかよくわからない天気。でも山ははっきり見える。ウスアイアは北側の氷河を抱いた岩山の山脈(アンデスの末端)、南側をビーグル水道に挟まれた、山の斜面に張り付くように広がる街だ。


今日は午前中は近場のマルティアル氷河(Glaciar Martial)にハイキング、午後はビーグル水道クルーズに行く。


110106フエゴ島・ウスアイア、マルティアル氷河のリフト

マルティアル氷河のカールはスキー場になっていて、リフトがかかっている。そのリフトまで市街からタクシーでA27$、10分ほど。ついたときにはリフトが止まっていて、どうしたものかと思っていたが、10時になったら動き出した。


ちょうど日本の秋山といった気候で気持ちいい。リフトの両側は八ヶ岳の森のような、うっそうとした森で、こんなしっかりした森を見るのは日本を出てから初めてだ。森を見ていると心が落ち着く。が、高度が上がるにつれて、だんだん寒くなってきて、あわててゴア雨の上着を羽織る。


110106フエゴ島・ウスアイア、マルティアル氷河のカールを登る

リフトを下りるとすでに森林限界。氷河へは沢沿いコースと森林コースがあるが、沢沿いコースから登ることにする。目の前の風景は...かっ、涸沢?穂高のような岩山に残雪がのっている。残雪、ではなくて氷河か。


始めは花咲く沢沿いの緩やかな道を登ってゆくが、最後はガラガラした岩屑(モレーン)の急な登りだ。


110106フエゴ島・ウスアイア、マルティアル氷河の直下

リフトから40分ほどで氷河の末端に到着した。やっぱりただの残雪に見える。


110106フエゴ島・ウスアイア、アマルティア氷河からウスアイアの街並み

氷河の末端の丘からの眺め。カールの底に登山道が延びていて、奥にはウスアイアの街が広がる。その向こうにはビーグル水道、さらに奥にはチリ領ナバリノ島の山々が連なる。このアマルティア氷河は、氷河を見に来るところではなくて、この景色を見に来るところなんだ。


110106フエゴ島・ウスアイア、アマルティア氷河のカールの対岸の山

丘にはどんどん登山者がやって来る。お弁当を広げてパーティーを始める人々もいて、なんか狭くなってきたので下山を始める。ガラガラの岩くず斜面にジグザグにつけられた道をうつむきながら、カールの底から次々と人が登ってくる。


1101016フエゴ島・ウスアイア、マルティアル氷河の中の流れ

アマルティア氷河からの融雪水がカールの底で清流となっている。両岸にはお花畑が広がり、日本の黒部あたりの沢そっくりだ。


110106フエゴ島・ウスアイア、マルティアル氷河の花1

例えばこんな花が咲いている。名前は知らない。


110106フエゴ島・ウスアイア、マルティアル氷河の花2

こんな花も群落をつくって咲いている。もちろん名前は知らない。


110106フエゴ島・ウスアイア、マルティアル氷河の南極ブナ

下山は沢沿いコースを離れ、森の中コースを歩く。みっしりと茂る木々の間に道がつけられている。これらの木々は「南極ブナ」と呼ばれるが、日本の「ブナ」と違って、ニレやレンガなど、数種類の樹木の総称らしい。いずれも幹は日本の豪雪地帯のブナのように地を這うように湾曲し、気候の厳しさを感じさせる。


リフト券は往復だったが、下りは歩いてもたいしたことがないので、歩いて下りてしまった。そちらのほうが森林浴を楽しめていいだろう。途中、子供たちの行列とすれ違った。遠足だろうか。ここはウスアイア市民の憩いの場所なのだろう。下りきったところで、登山客を乗せて来たタクシーをつかまえて街に戻った。


参考
マルティアル氷河(Glaciar Martial)ハイキング
市内からリフト乗り場までタクシーで約10分、A26$
リフトは10:00から、往復A68$、所要時間約10分
リフト終点から氷河の末端まで徒歩約1時間

次回に続く)



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